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たった二人

一編

●炎のビルウァと氷のランフォル●


ランフォルは暴走する

氷の刃で 辺りを切り裂く

その血を削り 氷で埋めゆく

ランフォルは抱き寄せた 母親を

氷となった 母親を

自らの手で 凍らせた 母親を

涙は落ちて 氷となる

水を飲む 中で凍る


メダマは言った 氷が そなたの心だと

メダマは言った そなたこそが 氷王と

メダマは言った 人を愛せ と

メダマは笑った 我が身の前で

メダマは消えた 我が身の前で


全ては冷えた 我が身の前で

全ては死んだ 我が身の前で

全てを殺した 我が身で全て


ヒトツヲノコシテ…



「…ビルウァ………」



ビルウァは暴発する

炎の牙で 辺りを燃やす

その血を糧に 赤く燃える

ビルウァは抱き寄せた 炭クズを

父親であった 炭クズを

自らの手で 燃やして焦がした

涙は落ちず 蒸発する

瞳のなかで 蒸発する


メダマは言った 炎が そなたの心だと

メダマは言った そなたこそが 炎王と

メダマは言った 人を愛せ と

メダマは笑った 我が身の前で

メダマは消えた 我が身の前で


全ては燃えた 我が身の前で

全ては焦げた 我が身の前で

全てを殺した 我が身で全て


ヒトツヲノコシテ…



「…ランフォル………」




抱き寄せた その炎

抱き寄せた その氷

抱き締めあう 二人の王

抱き締めあえる 唯一の人

冷たい吐息を 吸い寄せて

熱い吐息を 吸い寄せて


抱き締めあって 離さない


二人の王は 決めたのだ


この氷は この者の為に

この炎は この者の為に


そのために

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