神鳴る
二編
●神鳴る●
轟音と悲鳴と黄色い閃光
指折りにハシャぐ雨
指がうねる
耳を塞いで目をつむり
それなりに整えた髪の毛を
クチャクチャにした
クシャクシャにした
グチャグチャにした
指をパキポキと音をたてて気を紛らわす
そして今ではその音はもう立てられない
貧乏ゆすりをしたカタカタと床が震える
私はこの天から聞こえる鳴き声がたまらなく苦手だ
いつ頭を割りに来るのかと不安になる
涙を流したくなる
上から何かが掛けられた
毛布か何かだった
指が震えるのをやめることはない
私の肩も震える震える震え続ける
あの鳴き声を聞きたくないから
だからアナタが抱きしめても震え続けた
肩身がキュウッと縮まった
強く強く抱きしめてもらった
涙がこぼれた
温かさが涙を吐かせた
あの鳴き声をあげる人に落ち着いたら謝らないといけない
それだけのことをしたはずだ
あんなにもあの人は怒っているのだから
●パキポキ●
パキポキパキポキパキポキパキポキ
私の指は数分に一回程度鳴いてくれる
小さな反動が指の中で起こり
指の中のスイッチみたいなものを入れたような気になる
何も稼働しないスイッチだ
痛みくらいしか生じない
指が冷たくて息を吐いても湿るだけ
僅かな雨が肩を濡らす
指の奥でスイッチは入ったまま
特に何も起きやしない
つまらない指だ
パキポキパキポキパキポキパキポキ
私の指は数分に一回程度鳴いてくれる
小さな反動が指の中で起こり
指の中のスイッチみたいなものを入れたような気になる