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アスファルト

二編

●アスファルト●


灰色の地面を足で踏む……はぁ


別にどこにあろうが構わんさ

どこに行こうが構わんさ

道の隅っこの雑草の中

グッチャグチャグチャの猫の死体

目をひんむいてコチラを見つめる

呪われそうな気がしたよ

自転車のペダルをひたすらに漕いで

その場所から逃げ出したんだよ


その場所に花束を

雑草の中に綺麗な夢色の花束を

グッチャグチャグチャのアレはどこにもなく

ただの花束がただ置かれていた


通学路

逃げ出した場所

見放した命

猫に花束を


それか

死体を抱いた雑草に

小さな小さな花束を



●黒猫●


黒猫の足は汚れていて

汚れているから

綺麗な黒色の足跡を残していく


足跡に足をかさねて歩いていくのだ

歩いていく足跡

歩いていく足


その先に壁が待ち構えていた

人の作った小さな壁だ

よじ登ってバランスを取って

手を振り子にしてバランスを取って

飛び降りる

足に電源が走って痛くなるが

今までにこんな痛みは沢山もらった

もっと深い痛みも沢山もらった

小さな黒色の足跡は地面にまだ残っていた

足跡は歩く

まだまだ歩く

だから私の足も後を追って歩く


澄んだ空

薄桃色の空

透き通った空

アスファルトの薄汚れた地面

隅っこに生える小さな緑色の花園

そこに猫が寝転んでいた

全てを吐き出しながら



翌日

私は緑色の花園にも負けぬ花束と

スコップを持って

あの場所に行った


花束の包みに

いつもの癖で

ギャグのつもりで

by山下とでも書こうとしたが

やめておこう


名も無き命に失礼なことだ


この命

丁寧に逝こうか


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