唐辛子
●唐辛子●
真っ白のホカッホカなごはん。
味がもうちょい欲しいので唐辛子の刻んだ奴を振りかけてみた。
おおう。なんて味だ。もお。これ、目から火が出そうだぜ。
ガツガツと食べてみる。しかし目から火は出ない。涙が出た。
くっそ。火ぃ出してえ、くっそ。
火を出すには刺激が必要だと思うので、指で目をグリグリィっとしてみた。そしたらなんか、血が出た。なんか、惜しいぜ。もっと目をグリグリィっとしてみた。目がポトリと落ちた。
観客達は感動した。観客総立ちだ。拍手喝采。
私はお礼に万歳三唱した。
「万歳三唱、ばんざーい! ばんざーい!! ばんざーい!!!」
しらけた。観客総座り。なんかバナナの皮とか投げてきた。
一人のけむくじゃらの観客が批判してきた。「うほほうほ、真面目にやれタコ」
やべえ。なんて言ってんだコイツ。
とりあえず手を振る。するとバナナの皮が飛んできた。それが俺の肛門の近くに刺さった。
観客総立ち。バナナ喝采。
「シッダーン、プリーズ」
折角なのでバナナの皮を食ってみる。
ん、ん、ん〜…。微妙だぜ。
唐辛子かけて食ってみる。やべえ、何も言えねぇ。
観客総立ち。とうとう崖に飛び込もうとする輩まで出始めた。
それは駄目だ。と、止めるために俺はこう言った。「シッダーン、プリーズ」
するとどうだろう。するとみんな空中で座ってくれた。これで落ちないで済む。
「観客は空中で歌を歌い出した」と誰かが言った。すると歌い出した。
うほっほ うほっほ うほほうほ
うほっほ うほっほ うほほうほ
うほうほ うほほ うほほのほ
感動した。
俺は立ち上がって崖に飛び込んだ。
唐辛子が歯茎剥き出しでこちらを見ていた。