あざらしと国後旺
●アザラシ●
アザラシが鳴いている。
「おうっ! おうっ! おうっ! おうっ!」
その横で国後旺が鳴いている。
「おうっ! おうっ! おうっ! おうっ!」
アザラシの目がキラーン☆
国後旺の目もキラキラーン☆
アザラシは背中を反らせ反らせ反り返る。
もちろん国後旺も背中を反らせ反らせ反り返る。
「おうっ! おうっ! おうっ! おうっ!」
「おうっ! おうっ! おうっ! おうっ!」
共鳴する二人。ああ素晴らしく素晴らしき二人。
アザラシは更に背中を反らせ反らせ反り返り、わっかのようになった。
負けじと、国後旺も背中を反らせ反らせ反り返る事でわっかのようになった。
再びギラつく眼光。キラーン☆
そして二人は体をくねくねしながら、わっかとわっかで引っ張り合うわっか相撲のようなことをした。
いや違う。わっかではない。
輪ゴムだ。わっかは曲がらないから輪ゴムのようになったのだ。
輪ゴム相撲だ。
キリキリと音をたてる体。
キリキリ「おうっ! おうっ!」キリキリ「おうっ! おうっ!」
キリキリ「おうっ! おうっ!」キリキリ「おうっ! おうっ!」
そして国後旺は気付いた。このままでは、またグダグダになると。
というか既にグダグダであり、この説明もまたグダグダで、更に、グダグダだと認めることで更にグダグダになるのだ。
そのことに気付いた国後旺は、輪ゴム状態を解いた。早速オチを考えなくてはならない。なぜなら、コレ以上続けると更にグダグダになるからだ。と国後旺は思った。
う〜ん。う〜ん。
そして一匹はぐれてしまったアザラシは、その急な反動の末にコロコロクリリンと坂道を転がり落ちた。
あっ。オチてんじゃん!!