金切り
一編(今後、一編のみの場合は、ここに『一編』と記入しません)
●金切り●
木の枝が一つ残らず
一斉に折れたように見えた
次が無い
もう何も折らずでいい
つぶれろー…
ガシャンてつぶれろー…
フェンスに激突した
こっぱみじん!
からだ、こっぱみじん!
腸ぶちまけた!
そこら辺に散らばる血とか糞とか脳
なんかそこら辺の子供の服とかにもへばりついてた
ああハンパない
ハンパない衝撃のせいだね!
きっとそう! うん
そうして大地に染み渡る俺の肉ども
うへ〜い
成仏!
とはいかないのさ
だってアスファルトやしね
それに保存料入ったモン食い過ぎてたからか
腐る気配サラサラない肉ども
ふ〜いハンパない!
だから白カラスが取ってったよ
ハンパない! 白カラスハンパない!
こんな汚い肉ども食うなんてハンパない!
白カラスは食中毒で死んだ
ああ、また死んだ
また死んだまた死んだまた死んだ
食い過ぎだよ!
しかもみんな腐らない
腐らないまま何日も経過
あらすごい
まだ腐らない
さすがは保存料
腐らないねー、白いまま!
ばびっちゃう
どばどばと雨が降ってきた
紅葉が小汚い黄色に変わるサァー
腐らないけど、なんか凄い勢いよ
凄い勢いで雨にうたれて砕け散ったよ
いやいやこれは凄い
その砕け散ったのを蟻さん達が運んでいったんだ
いやいやこれは凄いこれは凄い
白い白いハネ
土砂降りの中では
ヒラリとも舞えず
地面に引きずられている
蟻さん達は運ぶ運ぶ運ぶ
気持ちよいくらいスムーズに