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ブドウを食べる人

一編

●ブドウを食べる人●


喉の奥深くに詰まりそうな大きさの

大きなサイズのブドウを

一粒や二粒ほど噛まずに流しこんだ

テレビのBGM

普段から見るものではなかった

いや

テレビ自体をそれ程に注視したことは

今までに無かったかもしれない

だから私は雑音代わりにテレビを点ける

静かな世界は落ち着かないから


口内に残ったブドウの皮を

舌の先に乗せて

右手の人差し指と親指で

クシャクシャのビチャビチャなソレを摘み

電灯が光り輝くなか

その光を集めた大きめな皿の上に

適当な形で捨て置いた


もう一つの皿は蒼い輝きを放つ皿

こちらから見て

ゴミ捨ての皿の右横にある皿

その上には枝木に付いたままの巨峰がある

何個かは枝木から離れて

また皿に転がっている

そうゆうものから食べたくなる

はぐれ者にされたようなソレを

先に食べてあげたくなる

右手の人差し指と親指で摘み

少し湿り気のある皮ごと

口のなかに放り込んだ


口内でハシャぐのは先のブドウ

ここまでツルツルな食感は

初めてかもしれない

ここまでの弾力を持つブドウは

初めてかもしれない

子供時代に大好きだった

まんまるドロップを思い浮かべながら

ブドウを転がした

テレビのBGMは

変わらぬ速さで部屋を歩く


飽きるほどに唾液にまみれたブドウの実は

飽きるほどに海をおよいだ

裸体をさらし続けて恥ずかしくないのは

キミが常に裸だからか

飽きるほどの甘美な果汁は

裸の体を押し潰した舌のおかげか


再び皮を剥がしていこうか


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