表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
159/300

風船香

一編

●風船●


風船に手紙を付けた


この手紙はどこに続くのだろうか


私は最後まで私は書かなかった


あの手紙を読んだ誰かに任すとしよう


残り何行書くつもりなのか


風船は探さない


何も探さない


風船は手紙を書く人を探さない


ただただ風に身を委ねていた




ある日風船は割れた


遥か上空で羽ばたく鳥に割られた


恐るべしは「パアアンッ」の木霊


強い音


それはそれは凄い音


それは海の真ん中に落ちていった




風船は揺れていた


遥か上空の更に上空を見つめながら


その手に大切なメッセージを持ちながら


時に小さく


時に大きく揺れていた


気圧に耐えきれず割れた


しかしまた浮かんでくるのだ




風船が指の中で踊るのだ


今にも割れそうで割れそうで


大切に抱きかかえるようにと頑張ってた




ある日風船は割れた


綺麗な丸い膨らみは


綺麗に割れた


綺麗な夢を込めた


綺麗な人は


綺麗な風船とともに


綺麗な地上へ落ちていく




ある日風船は手紙を持っていた


その手紙を読むことで


仄かに人の心も読んでいく


風船は揺れるだけ


少しの言葉も知らないで


手紙から読み取れたものは


風船の中に紛れていった


風船は膨らみすぎて


割れてしまった




フーフー


ふーーーーーーーーーーーーーー


ふーーーーーーーーーーーーーー


ふーーーーーーーー




充分だろう


もう充分だろう


そう思って君は手紙を読むんだろう


何度となくこの時を繰り返し


重ねて




さあ割れよう


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ