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紙ヤスリのように

二編

●紙ヤスリ●


ボロボロの刃は

ボロボロと削られていくだけだ

ヤスリが削るのは刃だけだ

それに紛れて色々丸くなるだけだ


汚れも紛れれば



●スパイシー●


スパイスが足りない


もっと刺激的な味付けに


包丁二本持ってこい


「はい! はい! はい局長!」


包丁が飛んできた


一本は右手に

もう一本は右目に刺さった


馬鹿やろう気をつけろ


「すいません局長」


でもスパイシーだったぜ


「有難うございます局長!」


次はミキサー持ってこい


「はい局長!」


ミキサーが飛んできた


俺の頭にカポッとハマった


ついでにスイッチが入って

俺の頭はクルクル回った


馬鹿やろう目が回ったぞコノヤロウ


「すいません局長」


でもアグレッシブだったぜ


「有難うございます局長!」


俺は右手に刺さった包丁を抜いて

ミキサーに入れた


粉末状のキラキラ光る粉ができた


それをさっきまで食べてた

アイスクリームの上に振り掛けた


それをガブリと喰らった…


弟子が。


「毒味は大事ですよね」


そうだな


弟子は食べて食べて食べまくる


味の方が知りたい


「はい局長! とってもスパイシーです! 刺激的です」


満面の笑みの弟子


口からはタラリと血を流している


そんなに刺激的なのか


「はい局長! 舌にチクチクきます」


そんなにか


では寄越せ


俺はガマンできんかった


弟子の唇を奪った


その笑顔に惚れた


ものすごく可愛いかった


口内ではアイスクリームが溶け出していて


とてもスパイシーな味だった


俺の右目からは


血の涙が流れていて


零れ落ちて


弟子の頬をつたった


「きょ…くちょ…」


血は血と混ざり合い


舌の上で熱を帯びた

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