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立ち読み

一編

●立ち読み●


パラパラとページをめくる人が数人


一ページ一ページを真剣に読む人が二人

うち一人が少年ジャンプを

もう一人は半笑いで恐らくはマニアックな何かを読んでいる奴

大きなリュックサックを持っている

ちょっと青めなリュックサック

そのうえメタボリックで汗だく

激しく気持ち悪い


パラパラパラパラーっと適当に流し読み

横の男性を待つ男

横の男性は少年ジャンプを読んでいる

視線はその男性を見て

早く行こうよと促しているようだ


私はというとモップ掛けをしている

その二人の中間の隙間にモップを押し込み

急に何か恐ろしくなり引いた

その次に二人もどこかへ引いた

あの扉の向こうに消えたのか

私はまだ

そこには行けない

使命をまだ果たしていない


人はだいぶ減った

残るはあの青いリュックサックの

ニヤニヤとしながらマニアックな雑誌を

ニヤニヤとしながら読んでいる奴だけだ


ニキビだらけの顔に垂れた目と眉毛

すきっ歯

マニアックな雑誌を手に取る奴に

気持ち悪いと思わなかった奴はいない


私はというとモップ掛けをしている

気持ち悪い奴の横顔を見る

奴はというと全く気にしてはいないらしく

私の方を見向きもしない

だがそれでいい

顔を向けられれば怒りしか起きないだろうし

観察しかできない私もまた

きっとそれはそれで気持ち悪い奴だろう

顔を合わせなければ良い


モップの動きは荒々しくなり

気持ち悪い奴の足に当たる

舌打ちが聞こえた

ダレのだろうか

気持ち悪い奴は足を数ミリずらして

私が知らない雑誌を読んでいた


私はというとモップ掛けをしている

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