ストレッチ
一編
●ストレッチ●
彼女が股をパカッと開いて
私に押して押してと言うから
彼女の背中をグイッと押したら
彼女は痛い痛いやめてと言うから
私は訳が分からない気持ちになった
キミが押して押してと言うから
私は一生懸命に押しているのだから
そんな痛い痛い言われても
私としては困るんだけどもね
という訳で私は彼女の痛い痛いやめてを
全力で無視して押しまくると
案の定彼女の股は裂けて
彼女のカラダは真っ二つになってしまった
「もう、やりすぎだよ」
と彼女が言うので私も
「やりすぎたなあ」と反省したあと私は
彼女のカラダをセロハンテープやら
瞬間接着剤スーパーポンドやら
ジェームスポンドやら
マジやべえ糸やら
唾やらのいずれかでくっつけてあげた
しかし既に彼女の身には恐ろしいコトが
山のごとしに有りまくっていたらしく
色んなモノが『縫い目』から
てんこ盛りにはみ出していたが
まあそんなコトはどうでもいい
大事なコトは彼女の大事なアソコから
洪水ではなく大洪水のごとき血が
溢れ出ていることで彼女がそれを見て
「いやん。お漏らししちゃった」と言い
頭をコツンと叩いたあとのコトだ
せっかく男女が初めてもつれ込もうと
云う矢先のこの大惨事
彼女の処女を要らぬとこで奪った私の罪
彼女をもう少し優しく押していればと
後悔の念に襲われた私であったが
彼女はというとそのコトの重要さに
其処まで深く気付いておらず私に
「ヤろうよヤろうよ」と云う始末
私としては有り難いコトではあったが
私の魂の根元がそれを許さずに
私は彼女に私の背中を
「押して押して」と懇願した
なぜならば私たちは恋人だからだ
恋人は対等に在るからこそである
そして私は真っ二つになっているのだが
凄まじき誤算が生じてしまった
身を繋げる材料が切れてしまったのだ
しょうがないからと彼女は私の右半身と
行為を始めてしまった
「なんてこったい」と言う左半身
これでは対等では無いではないか
しょうがないからと左半身は自分の力で
果てる為に行為を見つめることにした
ああ夜は長い