やけ酒は、ダメだってば
一編
●酒を飲むように●
ごくっ ごくっ
[ごくっと一杯飲んだ オマエと一緒に 一杯飲んだあの日]
[愚痴こぼしマンの オマエ]
あ〜 この一杯に 最近 救われて生きてるよなー 最近さ
[って言うオマエ
そんな大げさな〜…
って 思わず笑っちゃった オレだけどさ]
ごくっ ごくっ ごくっ ごくっ ごくっ ごくっ…くはぁあ〜!!
[そのサマ観て 思ったよ
オマエ…マジで言ってたんか……
って ちょっと反省するオレ]
悪いか?
[は? なにが? と思うオレ]
だってさぁ もう オレを癒やしてくれてたアイツが もう どこにもいないんだぜ!?
[オレの疑問に答えるオマエ
心読めるんかよ オマエ]
コレ飲まなきゃやってらんねぇーんだよ バーカぁ
[ちょっとムカッとくるなあ]
「うーん…ハラ、壊すぜ?」
あー もう いいよ いいよ 別に
「…二股かけられたぐらいで そんなになんなって」
別にいいじゃん
「ハラ壊すよ?」
二回目だよ ソレ
「知ってるよ」
はぁーー〜…
[気まずいなー]
オレ これからどうやって生きようかな〜
[そこまでショックやったんか… うーん]
「がんばって生きろって。
オマエもまだ若いんやから」
…知ってるよ
「じゃあ、やけ酒はやめろよ」
ヤダ
[…たくっ]
「オレはもう、帰るよ」
え? いや まだ帰んなよ
[…………]
「ダメだよ。だってホラ、外観てみ。真っ暗じゃん。早く帰んないとアレがうるせぇーんだよ」
そんなのいいじゃん…
そだ 今日はウチ 泊まってけよ
[いやいや それはマズいだろ]
「…だってさぁ、明日、学校じゃん」
いいじゃねーか 泊まれよ
んでさ 一緒寝ようぜ
「ダメだって…」
…ふん あぁ わかったよ
だから さっさと帰れ バーカぁ
[…ドアに手を掛けた オレ]
「なぁ、オマエさ。オレとか言うのやめろよな。ヘンだから」
やめたら 泊まんのかよ
「ソレとコレは違うだろ。女らしく、ワタシとか、アタシとか、ウチとか言った方がいいんだよ…って話しさ」
ふん 知るかよ バーカぁ
「じゃあ、な」
(バタン…)
(バタァン!)
まてよ
「は?」
や やけ酒じゃねぇーだろが
オレのは…コーラだろ
だからさ やけコーラだろうが バーカぁ
[……くす]
「例えだよ。バーカ」
[そう言って オレは玄関まで早歩きした]
なんだよ もう…
なんなんだよ もう!