表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/300

偽愛

二編

●抱きしめるは…●


わたしが抱きしめるから

彼女もまた応じて抱きしめるのだ

それが仕事なのだ


ずっと遠くまで聞こえるであろう…

わたしを呼ぶ仮の声

嫌いではないから応じてみよう

わたしも彼女を助けよう


呼ぶ声が誰であろうと

それは彼女の声なのだ


彼女に会えるなら

彼女に会えるなら

魔物や悪魔やナイトメアー

全てを斬って彼女のもとへ


わたしの足はカクカクとしている

まるで力が無いのだ

地べたを歩く必要が無いからだ


彼女は座っている

力無く座って待っている


わたしはそれを知っている

シナリオ通りに動いてるから

それでもわたしは助けたい

愛してもいない彼女を

わたしにしか助けられない


わたしは叫ぶ

誰かの声で

彼女に向かって愛を叫ぶ

愛の無い愛を叫ぶ


彼女は立っている

力無く立って待っている


次の展開

待ち焦がれているのは視姦者達


わたしは彼女を抱きしめる

強く強く抱きしめる


キシッと音をたてながら



●カラス●


骨の魚を噛み砕き

クチバシを削って奥へ行く


泣く泣くカラス

カーッ カーッ カーッ


漁る漁る

ゴチャゴチャと


黒と赤の境目で


血肉を吸い取り生きてゆく


カーッ カーッ カーッ


同じ並びの同じ鳴き声

ヒマなほどにキレがある


威風堂々と胸を張り


汚いものを汚いと感じながら触れる

心情ではなく外にゆけ


キライな明日にしがみつけ


ホームレスには渡さない

これは大事な生きる糧


夕暮れと共に鳴く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ