表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/300

ナツのムシ

三編

●コオロギ●


スズを鳴らした


生きているうちに

音色を果たして

砕ける前に 音をからして

夜の音色を 任せてもらう

聴き入って貰えるように

声を枯らして

歌い上げる


そして



スズを投げた


生きているように

曲を作っていく

日が来る前に 脚を削って

夜の音色を 任せてもらう

聞き入って貰えるように

声を響かせ

歌い上げる


 アァ…



揺らぐ ヤツらが作り上げた 新しいヒカリ

響く 我が歌声 潰れるように

崩す 夜の暗闇 我が身を溶かす



泥くさい悲鳴は

乾いた土を 蹴飛ばして


美しさを求める音色を奏でる



●セミ●


区切る視線は

飛び退いて


しがみついて

あの場所に


下を観ずに

ハネが浮く


観てはダメだ

観たくない



命をどこに

この声に


ならば鳴らそう

この声を


響く声は

その声は?


夏の太陽の

レクイエム


オレのじゃなくて?

太陽の


つくつくほーし

レクイエム


ミーン ミン ミン ミーン

ミーン ミン ミン ミーン



●ホタル●


世界なんて 大きな規模の ヒカリじゃなくて


田んぼとか そういう小さい場所で その身を照らせるなら


それでいいと 思ってた


なのに


そんな場所すら

キミは残して くれなかった


なにが為に 居場所をとるの?


理由もなく 取っていくの?


なかったとしたら 許さない


いや


あったとしても




ヒカリを放ちながら 踊るホタルのさざめき


消し去ったのはボクら

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ