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荒ぶる鷹のポーズに意味があって愕然としてしまった俺は悪く無い---日本人じゃ!日本人のry---

長文苦手すぎて読みづらい文章になってないか不安です。

「鍛えて欲しい、というなら紛らわしいことを言うな・・・期待してしまったではないか」


草原へと移動したところでそんなことを言われた。何か変なことでも言ってしまったのだろうか?・・・なんて鈍感系主人公なことは言いはしない。顔を真っ赤にして慌てていたところは大変可愛かったです。

なんというかサーシャは油断すると気の強い顔が一転して可愛らしい顔をするのだ。ロシア人風の顔の作りなので破壊力抜群である。


「まあいい、鍛えて欲しいならまずはお前の戦闘スタイルについてだが・・・蹴ったり殴ったりということは拳闘士モンクなのだろう?」


「いや、拳闘士なんて立派なもんじゃない。剣を使うより身体のスペックで殴ったり蹴ったりの方がやりやすいと思ったからそうしているだけだ」


「やりやすくやる、ということは冒険者にとって大事なことだ。憧れや見栄で録に扱い方を知らない武器を使って死ぬより遥かにマシだ。」


確かにそれはそうだ。実際武器の扱いは難しい。それに使える(・・・)のと使いこなせる(・・・・・・)のは遥かに差があるしな。

その点拳や足は元々人間が持っているもので新しく武器を使うより遥かに使い勝手がいい。更に龍鱗操作で篭手などを作ってやれば十分効果があるということはゴブリンとの戦いで感じていた。

それに前世でネット上に載っていた拳の延長として扱える武器を龍鱗操作で再現してやればいいだろう。


「それで、おまえは何のスタンスを主に使うんだ?聞いた話だが竜人のモンクが使うメジャーどころはマンティス、ホーク、ベアーといったところだそうだが?」


スタンス?


「なあ、スタンスってなんだ?」


その一言には呆れた顔をする。


「おまえは本当に常識知らずだな、そんなのでよくも今まで生きてこれたものだ」


「あー・・・確かに閉鎖的な村で育って来たから常識に関しては絶賛勉強中だけど、生きて来られたのは種族的な恩恵が強いんじゃ無いかと思う」


なんせドラゴニュートだ。タダでさえ丈夫で敏捷性、持久性、瞬発力のある肉体に物理的な防御力だけでなく対魔力にも優れた鱗を身体に備えている。

アーデとの出会いのきっかけであるクマの一撃からの崖からの転落のような例外でも無い限りちょっとの事では死なないのだ。ちなみにダメージとしては崖からの転落が9割を持って行っている。


「まあ、なんて言うか改めて言うと脳筋臭がする種族なんだよなぁ・・・」


なんせゴブリンとの戦いですらスペック任せのゴリ押しか開幕ブッパ(ブレス)だ。間違いなく頭が悪い。


「プライドが高い脳筋種族とか救いようがないぞ。おまえは学ぶ事をしてる分遥かにマシだろうがな・・・しかし中央の竜人達はそこまで脳筋の様な事はなかったと思うんだがな・・・」


中央にもドラゴニュートがいるのか?それは初耳だ。その内中央大陸には渡ってみたいと思っていたが村でのことを考えると他のドラゴニュートにはできれば会いたくないな。


「それでスタンスがなんなのかだったな。スタンスとは---」


スタンス---祈りにも似た一つの型、魔力をその動きに乗せ、昇華させる事で霊獣の力を一時的にその身に降ろす事が出来る。降霊術のようなものらしい。


「一瞬とは言えどもその効果はどれも高い。相手の動きからスタンスを使おうとしているかどうかが見破れないと対人戦では圧倒的に不利になる。熟練者ともなってくれば戦いの流れに動作を乗せて来るから尚更だ」


成る程、それは恐ろしいな。


「私は剣士だから降ろす事は出来ないが、型は師から対応方法を教えて貰う折に幾つか見せて貰った事があるから知ってる限りは教えてやろう」


そう言って剣を背から外したサーシャは人差し指と中指を揃えて残りは握りこんだまま手首を曲げたかと思うと、なんどか腕を擦り合わせた後腰を落として足を前後に開き、手首を曲げたままの左手を前に、右手を顔の横に付けた。

そう、途中の動きを除けばその構えはまさしく---蟷螂拳の構えである。

正直な話、真面目な顔をしているサーシャには悪いが今にも笑ってしまいそうだ。


「これは、ゼノマンティス・スタンス。霊獣ゼノマンティスの力を一時的に借り受ける事で極めた使い手ともなれば亜竜の鱗をも切り裂く指刀を振るう事が出来る。別名『剣士要らず』のスタンスだ」


見た目とは裏腹に物騒だった。いや、あくまでも現代人的な視点から見たら笑いを誘われるだけでこの世界ではいたって大真面目なのだろう。なんせワイバーンの鱗を切り裂くぐらいだし。

なんて考えていたが次で耐えられなくなった。

サーシャは一旦構えを解くと今度は足を揃えて両手を開いたままクロスさせて両頬を抑える様にすると腕を弧を描く様に広げる動作と共に僅かに腰を落として片足を上げてその構えを完成させた。

そう、雄大なその構えの名は---




「これがワイルドホーク・スタンス。霊獣ワイルドホークの力を一時的に借り受ける事で驚異的な素早さ視力を得る事が出来るスタンス・・・どうした?腹を押さえて蹲って。具合でも悪いのか?」


どう見ても荒ぶる鷹のポーズだった。霊獣とか言うから形意拳とかそういう流れかと思って完璧に油断していた。くっそ、ゼノマンティスといい絶対日本人の仕業だろ!俺の腹筋返せよ!いや、まだ蟷螂拳はちゃんと形態だってる武術の一派だからいいにしても荒ぶる鷹のポーズはない。こんなポーズを戦いの中で事前情報無く取られたら隙だらけになってしまう。そう考えたらここで教えて貰えたのは良かったのかもしれない。


「ふぅ、はあ・・・大丈夫だ、続けてくれ」


「そうか、それならならいいんだが体調が悪ければまた後日でいいんだぞ?おまえがくれた鱗の対価はこれぐらいの事では全然返し切れないんだからな」


「なあ、聞きたいんだが熊とか猫とかもあるんじゃ無いか?」


「む?確かにあるが知っていたのか?」


「いや、知っていると言うか予想したって言うか・・・」


俺ら(・・・)なら気がつくと言ってもサーシャにはわからないだろうな。なんて考えているとサーシャは心配したのか。「とりあえずあとは手早くやって今日はおしまいにしよう。詳しく知りたければまた聞いてくれればいつだって教えてやる」なんて言いつつ複数のスタンスの型をやってくれたがなんというかネタに走っていないちゃんとした方で安心した。



一通りのスタンスが終わった後サーシャがゴブリン100体狩りをやるぞと言いだした。


「ゴブリン100体狩り・・・?」


「ああ、自分が使えるあらゆる手段でゴブリンを100体狩るんだ」


うん、そのまんまだが一体何の意味があってそんな事をやるんだ?


「別にやって出来ない事は無いと思うが何の意味があるんだ?」


「うむ、アッシュもゴブリンの弱さは知っているだろうが、ゴブリンの恐ろしい所は数が増えてこそだ。奴らは群れを際限無く増やしその物量で襲い掛かって来る時が1番面倒だからな」


ゴブリンが群れた時が1番面倒って言うのはよくわかる。数の暴力は1番シンプルで恐ろしい。いくら個人で強くとも対応出来る数と言うのは限界があるからだ。


「だからこその100体狩りと師は言っていた。ゴブリンを100体狩るとなるとどうしても多対1になるから必然的に対応力が求められる。ああ、私も付いては行くが手は出さんぞ」


恐らく対応力だけでは無く殲滅速度も測るのだろう。これは大変そうだ。


「わかった。それで、いつからするんだ?今からって訳じゃ無いよな?」


「もちろんだ。夜になれば他の魔獣も活発になるから下手なリスクを負う事になる。今日は準備を整えて明日の朝一から行くぞ。おまえはどこの宿屋に泊まってるんだ?」


「ああ、その事なんだがオススメの宿屋があったら教えてくれ。この街の事は詳しく無いんだ」


「・・・なら私も泊まっている所にすればいい。少し高めだがその分信頼出来るし当面は私が出そう」


「宿代ぐらい自分でだすぞ?流石に一泊銀貨1枚とかだと無理だが」


「いいや、私が出す。鱗の対価には全然釣り合って無いんだからそれぐらいはさせてくれ」


ここは断る方がサーシャに悪いだろう。


「・・・わかった。じゃあ世話になる事にするよ」


「そうか!」


なんか一気にご機嫌になったが一体何故だろうか?

感想などお待ちしてます。アドバイス、誤字報告なども大歓迎です。

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