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四話 神様もいない世の中なんて

説明回

扉の隙間から届く日の光のまぶしさで目が覚めた。

意識が覚醒するにつれ神っぽい人に会ったこと、異世界に来た事、異世界初日が掃除で潰れたことを思い出す。初日で掃除するだけで終わらせるのではなくこの世界について色々聞いておけば良かったとを後悔した。


(緊張してたのかな・・・)


俺は起き上がろうとして腕に力を・・・入れられなかった。

力を入れようとすると痛みが走り少しも動かせない


(痛ってー!!!)


完全に筋肉痛だ

体中どこも動かせない


(ルティナは大丈夫か?)


首を何とかルティナの寝ていた方向に向けると寝息をたてたルティナが

動くことも出来ないのでそのまま起きるまで待とうとしているとぐずりだした


「おはようルティナ」


「・・・体が痛いです」


「俺もだ

ちょっと体動かせそうにない、ルティナは?」


ルティナは腕を動かそうとし、顔を歪めた。

明らかに痛みを訴えている。


「無理に動かさなくていいよ!ていうか動かないで!?」


「ッ、はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「結局二人とも動けないか」


「すみません」


「ルティナはなにも悪くないよ。」


お互いに動けるようになるまでかなり時間を要しそうだ。


「・・・なあルティナ、昨日のうちに聞いておけば良かったんだけどさ、この世界についてとか知ってる?」


「はい、私の想像主カルナ様から生きていくために必要な知識を教えてもらっています。」


「あいつカルナって名前だったのか・・・じゃあこの世界はなんなのか、どうして呼ばれたのか教えてもらえるか?」


ルティナの用意されたセリフを読んでいるようなものだったが詳しく聞けばちゃんと答えてくれた。


話を整理すると、ここはいわゆる剣と魔法の世界であること、今いる大陸はアルミダということ、周辺の瓦礫は何百年も前に滅ぼされた国の名残であり、廃墟周りの森は元々あったとのことだった。

召喚された理由は不明、大陸には4つの召喚陣があり、それぞれが補助し合い、連動して起動するためどれかを起動した結果、俺が召喚されたらしい。一つだけ起動したんだったら俺以外に最大2人は巻き込まれたことになる。次動かすには軽く1万年はかかるそうだ。

一つ言えるのは俺は完全に巻き込まれたようだ。


「俺以外に呼ばれた人ってどんな所に居るんだ?」


「名前はわかりませんが全員大陸の主要国家と」


「俺らだけ廃墟かよ・・・」


「ここも元は主要国家だったそうです。

名前は妖精国リースファミリア、妖精種の王国だと。」


「妖精の国・・・

なんで滅びたりしたんだ?」


「戦争で滅んだそうです。

原因は神が居なくなってから妖精攫いが横行し、戦争に発展したと。」


なんだかすごくいたたまれないな・・・


「妖精たちは今どうなっているんだ?」


「わかりません。少なくともこの周辺には居ないことは分かるのですが・・・」


「・・・そうか」


旅をする目的に妖精捜しをしてみるのもいいかな・・・見つけてもらいたくないかもしれないけどさ

ていうか今重要な事を聞いたような


「神様がいなくなったってさっき言わなかった?」


「はい。神は過去に存在していました。しかし、この世界の神はほとんどが別の世界に旅立ちました。変化のしなくなった世界に飽きたのが原因だそうです。」


「悲報:神様は存外俗物的だった。」


「カルナ様からいただいた知識の中に、システムを作ってしまえば世界を維持し続けるのに別に神様が必要なわけじゃない、神のイメージの押し付けはつらい。と」


「神様も大変なんだね・・・」

「・・・じゃあ次は魔物について、まず魔物って何なんだ?よくあるゴブリンとかオークとかの人を襲ってくる感じのやつかな?」


「よくあるかは分かりませんが、魔素と魔力が集まることで受肉し、受肉した後は生物の機能を持つものが多くいるとのことです。」

「魔物は魔力を求めて活動します。同時に魔力を放出しています。彼らは自らが放出する魔力を補うために魔力を持つ存在を食らおうとします。同じ種の魔物を食べる事はほとんどありませんが、魔物を食べることもあります。」


「魔力を求めて・・・なら魔力を与え続ければ襲われることはないのか?」


「理論的にはそうです。しかしそれは上位の存在だけです。事実、上位の存在が大量に存在している魔境と呼ばれる場所では空気中の高濃度の魔力だけで生命維持が行なえるため、魔物同士での食い合いがほとんど起こらないそうです。」

「しかし、下位の魔物は上位に進化するために魔力を過剰に取り込もうとするため、魔力をより得ようと襲ってくるでしょう。」


襲ってくるのを止める事は出来ないか・・・言葉が通じるとは思えないし

「戦いは避けられないか・・・魔法を使うには修行が必要だと言ってたけど、どんな事すればいいんだ」


「知りません」


「そっか~・・・そっかぁ~、知らないか~

あははははぁぁぁ~、マジかよ!?」


俺は感情のまま体を起こし、全身を走る筋肉痛に再び地に伏せるのだった

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