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一話 サポートキャラとの出会い、第一村人との邂逅はまだ先の様だ

目が覚めて始めに感じたのは鼻のむず痒さだった


目を開けるとそこにはひび割れ今にも崩れ落ちそうな天井が見える

「さっきのはい!?ゴホッゴホ!」


口を開くと喉に痛みが走り咳が止まらなくなる

口元を押さえ回りを見渡すと地面は埃で埋まっており、壁は窓一つ無い石造りで、一つ大きな扉があるだけ

あまりの埃の煙たさにたまらず扉まで駆け寄り開ける

部屋の中の埃が舞ったが外の空気は澄んでおり、深呼吸し肺の中の空気を入れ替える


ケホッケホッ


後ろの方から小さな、咳をする声を聞こえ

「(俺以外に居たのか!)」


急いで振り向くと埃をかぶった人の形をしたものが倒れていることに気づく


俺はすぐさま部屋に戻り、外に連れ出した

体中の埃を払い、改めてその姿を確認すると銀髪のセミロング、童顔、ジト目であり、体は一部を除き子供のように小さかった。

体の一部・・・身じろぎするだけで簡単に揺れる、メロンのようにたわわに実っている大きい胸に俺の視線が固定される


「どこを見ているのですか」


少女は表情は変わらずジト目なまま、こちらの顔を若干上目使いで見てくる。

罪悪感を感じてしまい、顔を横に向けることで視線を外す。


回りを改めて見渡すと、元々は部屋だったであろう石壁が崩れていたり、石畳道の上に根を張る巨木が点在している。まさに廃墟と言ったところだろう


「・・・どこだここ」


「ここは元フェアリーガーデン『鏡花城』跡地です」


ただの独り言だったが隣にいる少女がその答えを言った

答えが返ってくる思わず再び少女の方を向く

今度は顔をちゃんとみて


「元ってことは今は違うってことか?」


「その通りです。現在の名称は魔境。魔物が跋扈する危険地帯とのことです。」


あの女、転移させたのが場所が危険ってなんなんだよ

最後に子供のことを頼むとか言ってたのにこれじゃあ死ねと言っているようなものじゃないか


「なんでそんな危険な所に転移させたんだあの女・・・」


「ここに転移陣があるためです。この場所以外には出来ません。」


「はぁ・・・予想はできるけど君は誰?」


「私はあなたが転移した時、時崎 隼人様の希望によって産み出されたサポートキャラです。

名前はありません、必要な場合は命名をお願いします。」


やっぱりか~そうだと思ったんだよな

にしても子供か、何かが成熟するって話だったけど絶対胸だよね

最初の男の希望通りって言ってたし、そいつは容姿の希望をしたんだろうが、叶えられたんだろうか・・・あの神っぽいやつを考えると無理な気がする


「どうかしましたか?」


「考え事してた

・・・名前か」


少女はジト目でこちらの目をまばたきもせず、ただじっと見ている

これは期待されているんだろうか?それとも変な名前だと許さないってことなのか、なんにしてもここで俺たちの関係が決まるだろう。廃墟で二人っきりなのに仲が悪いとか死亡フラグにしかならん


「(銀色の髪か・・・銀は月を意味していたっけ、ルナ、北欧神話だとディースってのもいたな他にもディアーナってのも、一文字づつ使って)

ルティナ、ルティナって名前はどうかな?銀は月に占いで関連付けされるんだ。

月の別の呼び名はルナで、他は月の女神の名前を少し入れてみたんだけど・・・」


「ルティナ・・・ルティナ・・・」


少女はうつむきながら自分の髪を触りながら何度も呟き、こちらが戦々恐々としていると突然顔を上げ


「わかった、私の名前はルティナ。

名前、考えてくれてありがとうございます」


「い、いや。・・・どういたしまして

(気に入って・・・くれたのかな?)」


少女・・・ルティナはそのまま顔を見続けている。

何も言わないまま数十秒が経ち、


「そ、そうだ何をするようにとか聞いてるか?」


「いいえ何も、あなたが呼ばれた理由は召喚陣が発動したから、ただそれだけです」


「召喚陣が発動?」


「さっきの部屋、そこに召喚陣がある」


「じゃあ事故みたいなものか

周りに人っ子一人いないし」


「いいえ、これは人為的に発動した。

召喚陣は大陸に四つある。全ては連動してるから一つ発動すれば他も発動する。

だからあなたはここにいる。」


「じゃあ俺は巻き込まれたって感じなのかな?」


「わかりません。

私が知っているのはこの国のことだけで、サポートキャラに教えられているのは生きるために、戦うために、転移された場所についてのことしか知らされていません。

だから他の国や情勢、人名について知っていることは何一つないです。」


「それについてはこれから調べるしかないのか・・・

この周辺に人のいる町・・・せめて集落とか山小屋とかある?こんな所に長いこといるといつ襲われるか怖いし。」


「村が一番近いです。」


「じゃあそこに向かって


「でも一週間はかかります。今の私たちでは魔物に襲われて確実に死ぬことになるかと。」


「・・・転移されられて速攻でゲームオーバーですか

そうだ!異世界ものにはチートな能力がついているものが多い。俺たちにそんな能力はあるのか!?」


「チートと呼ばれるほどではありませんが、転移者には加護が必ずついています。」


「どんなのなんだ?役に立つか」


「あなたの加護は『妖精の寵愛』スキルの所得の補助が主な効果です。」

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