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世界再生GAME  作者: 新月 乙夜
〈北の城砦〉攻略作戦

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〈北の城砦〉攻略作戦14


「ギィィィイイイイ!?」


 相変わらず耳障りな〈キーパー〉の叫び声。その声は、心なしか苛立っているように聞こえた。周囲を飛び回るイスメルを捕まえられないのだ。それどころか〈キーパー〉は一方的に攻撃されてばかりで、いわゆるサンドバック状態だった。しかしそれでも苛立つだけで済んでいるのだから、やはり驚異的と言うべきだろう。


〈キーパー〉の注意はイスメルがひきつけてくれている。その隙に、カムイは崩れてしまった城壁を乗り越え、城砦の敷地内へと侵入した。そして瓦礫の陰に隠れるようにしながら、〈キーパー〉の足元へと近づいていく。


 彼は今、一人である。アーキッドから「アブソープションを使って〈キーパー〉の回復を阻害する」という役割を任され、単独行動しているのだ。少し周囲を見渡せば、瓦礫の向こう側に〈獣化〉したミラルダの尻尾が見え隠れしている。あちらも無事、城砦の敷地内に入ったようだ。


(あの巨体じゃ、目立つだろうに……)


 もちろん、〈獣化〉したミラルダのことだ。この際隠密性よりも戦闘能力重視ということで、彼女は〈獣化〉して行動していた。加えて言えば、巨大な九尾が突然“出現”するよりも、初めから姿を現しておいた方が視覚的なインパクトが少ないだろうということも考慮されている。


 とはいえ、その巨体が目立つことには変わりない。特に高い視点から全体を俯瞰している〈キーパー〉からは丸見えだろう。しかしその〈キーパー〉は相変わらずイスメルばかりを追い回している。彼女しか目に入っていない様子だ。


 ということは現状、〈キーパー〉の注意がカムイに向く可能性は低いと言えるだろう。それでも彼はできるだけ静かに歩を進めた。


(やっぱり……)


 見上げた〈キーパー〉は、やはり巨大である。〈魔泉〉の化け物よりは小さいとはいえ、それでも巨大であることに変わりはない。そして巨大な敵と言うのは、ただそれだけで相対する相手に恐怖を抱かせる。


 その恐怖を、カムイは真正面から睨み付けた。これからコイツを倒すのだ。いや、ただ倒すだけではない。雪辱戦に向けて、経験値を稼がせてもらう。倒すべき相手はコイツの上位種。こんなところでビビッている暇はない。


 さて、ほどほどの位置まで近づくと、カムイは一つ深呼吸してから【Absorption(アブソープション)】と〈オドの実〉を発動させた。しかしすぐに顔をしかめる。思ったほどエネルギーが集まらないのだ。


 その理由はすぐに察しがついた。要するに〈キーパー〉のせいだ。アイツがここら辺にあった瘴気をすべて喰ってしまい、カムイが吸収する分が残っていないのである。いわばここは、瘴気の真空地帯なのだ。


 もちろん、瘴気は周辺から少しずつ流れ込んできているから、まったく無くなってしまったわけではない。しかし瘴気濃度は低く、そのせいで十分なエネルギーを得られずにいた。


 いや、実のところエネルギー量だけなら、時間さえあればどうとでもなる。重要なのは時間当たりの吸収量だ。これが維持できる白夜叉のオーラ量に直結する。今のままでは、“グローブ”も形成できない程度のオーラ量しか維持できない。


(どうするかな……)


 とりあえず溜め込めるだけのエネルギーを溜め込みながら、カムイは息を殺しつつ頭を働かせた。当初の目論見では、〈エクシード〉を使って白夜叉のオーラを糸状にし、適当な位置からそれを伸ばしてそれを〈キーパー〉の身体にくっ付け、そうやって瘴気を吸収し回復を阻害するつもりだった。しかしこのエネルギー事情では、たぶん糸状にしたオーラを維持できない。


 ではどうするか。すぐに思いつく方策は二つ。一つ目はもっと近づくこと。近づけば、その分維持するべきオーラ量は少なくてすむ。


 そして二つ目は、一時的でいいので瘴気以外のエネルギーで吸収量をかさ上げすること。一旦糸状にしたオーラを〈キーパー〉にくっつけてしまえば、後はそちらからエネルギーを奪うことで維持は可能だ。


(使うか)


 カムイが選んだのは二つ目だった。彼は腰のストレージアイテムから数枚の細長い紙切れを取り出す。〈魔法符:魔力回復用〉である。万が一のときのために持っておいたそれを、カムイは五枚まとめて一気に破いた。


 流れ込んでくる多量の魔力に、カムイは一瞬息を詰まらせた。一時的にブーストされたその魔力と、後は時間をかけて溜め込んでおいた魔力を使い、彼は一気にオーラの糸を伸ばした。


(……っ、よしっ!)


 エネルギー切れになる寸前で、オーラの糸はなんとか〈キーパー〉にたどり着いた。そして〈キーパー〉から瘴気を吸収することで、オーラの糸が安定する。


 この時、カムイは最大にしていたアブソープションと〈オドの実〉の出力を一旦下げた。〈キーパー〉に気取られるのを避けるためだ。その甲斐あってか、今のところ〈キーパー〉に勘付かれた様子はない。それを見て取り、カムイはごくりと唾を飲み込んだ。


(さあて、ここからだ……)


 カムイは少しずつ、アブソープションと〈オドの実〉の出力を上げていく。さすがに瘴気の塊から直接吸収しているだけあって、さっきまでとは効率が段違いである。


 十分な吸収量を確保できたところで、彼はもう一本オーラの糸を〈キーパー〉目掛けて伸ばした。オーラの糸は細いので、どうしても吸収量に限りがある。それで本数を増やしてさらに効率アップ、というわけだ。加えて二本以上あれば、万が一どれかがダメになっても他でカバーできる。要するに予備回路をかねているのだ。


 さらに三本、四本とカムイはオーラの糸を増やしていく。それでも相変わらず、〈キーパー〉は小揺るぎもしない。ヤツにとっては、たぶん蚊に刺されているようなものなのだろう。相変わらずイスメルに夢中で、カムイには見向きどころかいることさえ気付いていないようだった。


「……っ」


 そんな〈キーパー〉の様子を見て、カムイは思わず顔をしかめた。別に構ってくれないのが悔しいわけではないし、そもそも構ってなどほしくもない。そうではなく、ずいぶん吸収量は増えたはずなのに、〈キーパー〉の回復能力に陰りが見られないのだ。


 囮役のイスメルは、毎秒のように〈キーパー〉に斬撃を浴びせている。しかしその傷口は瞬く間に塞がり、なかった事になるのだ。つまり吸収量が足りていない。それをカムイはすぐに理解した。


 彼はすぐに次の手を打った。伸ばした四本のオーラの糸を、今度は太くする。そしてまるで樹の根のように枝分かれさせ、〈キーパー〉の身体に纏わり付かせる。ただ、これには少々副作用があった。


(……っ)


 声には出さず、カムイは舌打ちを漏らした。オーラの糸を枝分かれさせたのは、〈エクシード〉を使ってのことだ。その際に樹の根をイメージしたのだが、それが浄化樹の生存欲求と重なってしまった。


 そのおかげで上手くいっている面もある。しかし同時に、彼の意識を押し流そうとする作用も強まっていた。


 身構えていたので、顔をしかめる程度で済んでいる。しかし〈キーパー〉の回復を阻害するほどに瘴気を吸収したらどうなるのか。どう考えても愉快なことにはならないように思えた。


「全部ロロイヤのせいだ」


 声に出してそう悪態を付くと、少しは気が紛れた。とはいえ、やるしかない。〈雷樹・煉獄〉で丸焼きにするとはいえ、それで確実に倒せると言う保証もないのだ。ならば〈キーパー〉の体力を少しでも削っておかなければならない。そのために最適なのは、やはりカムイのアブソープションなのだ。


(ああ、でも……)


 カムイはふとあることに気がついた。〈雷樹・煉獄〉で丸焼きにするということは、その際〈キーパー〉に絡み付いていた白夜叉のオーラも一緒に焼き払ってくれるということだ。そうなればエネルギーの吸収量が一気に減り、たとえ植物人間状態になっていたとしても、意識は急浮上して回復できるだろう。


 これはプラス要素と言っていいだろう。そう思い、カムイは少し気が軽くなった。もっとも、そんなことにならないよう努力するのが大前提だが。


(ん……?)


 唐突に、カムイは伸ばした白夜叉のオーラに何かが触れたのを感じた。少し探ってみると、アストールの魔力を感じる。どうやら敷設している〈聖銀糸〉のようだ。あちらはあちらで、順調に準備を進めているらしい。


(こっちは吸収しないようにしなくちゃだな)


 そう思い、カムイは〈オドの実〉の出力を上げた。これでアブソープションのターゲットは、瘴気の塊である〈キーパー〉に限定される。アストールの邪魔をすることはない、はずだ。


(まあ、後はトールさんに頑張ってもらうとしよう)


 そう胸中で呟き、カムイは後のことをアストールに丸投げした。一方丸投げされたアストールであるが、彼の方はカムイほど順調とはいえなかった。


「すみません、回復をお願いします……」


「ん」


 アストールに頼まれ、キキが彼の魔力を回復する。これで三枚目の〈魔法符:魔力回復用〉だ。それを見て、アーキッドは自分の見込みが少し甘かったことを認めざるを得なかった。


「どんな感じだ?」


「正直、ちょっと手こずっています。魔力糸を一本伸ばすだけなら、そんなに難しくないんですが……」


 しかしそれだけでは意味がない。〈キーパー〉が巨大だからだ。〈雷樹・煉獄〉で〈キーパー〉を丸焼きにするには、なんとか魔力糸で四方を囲まなければならない。ただそれを一人でやるとなると、なかなか難しいのが実情だった。


「ま、焦らずゆっくりやってくれ」


 アーキッドはアストールにそう声をかけた。幸い、〈魔法符:魔力回復用〉はまだ枚数に余裕がある。呉羽が溜め込んでいた分をごっそり吐き出させたのだ。おかげでカムイがいなくても、魔力の回復に不安はない。少なくとも、今のところは。


(時間が、時間が欲しいな……)


 アーキッドは切実にそう思った。今のところ、戦局は膠着している。それで有利なのは、着々と準備を進めている彼らの側だ。その準備が終わるまでこの膠着状態が続くこと。それが理想的な展開と言えた。しかしやはりと言うか、そう上手くは行かない。


「ギギィ!」


〈キーパー〉が不快げな声を上げる。そして今までひたすらイスメルを追っていたその赤い目が、ギロリとカムイのほうを向いた。見れば、〈キーパー〉の身体には白夜叉のオーラで出来たツタのようなものがはっている。つまり、彼の吸収する瘴気の量が、ついに〈キーパー〉にとって無視できないものになったのだ。


「っ、ミラルダ!」


「うむ!」


 アーキッドの指示に従い、ミラルダが九本の尻尾から黄金色の魔力糸を無数に放つ。〈キーパー〉を拘束するためだ。しかしそれより早く〈キーパー〉が両腕を振りかぶり、握った拳をカムイ目掛けて振り下ろした。


「させませんっ!」


 その握りこぶしを、イスメルが斬り飛ばした。そして彼女は両手の双剣を無尽に振るい、残っていた〈キーパー〉の両腕を端から細切れにしていく。さらに口元に赤い炎が見えた瞬間、その巨大な頭部に〈伸閃〉を叩きつけて爆発させる。


「ギィィィイイイイ!?」


 顔面が爆発すると、〈キーパー〉もさすがに動きを止めた。だが、それでも倒せない。怒りをはらんだ絶叫を上げながら、頭部も両腕もあっという間に回復していく。それを見せ付けるかのように掲げた腕を、ミラルダの魔力糸が拘束した。


「捕まえたぞえ!」


 足を踏ん張りながら、ミラルダが吼える。巨体だけあって、〈キーパー〉は怪力だった。しかし彼女の場合、〈キーパー〉の動きを全て封じる必要はない。腕の一本、それだけでいいのだ。


「行けッ、アード! 狐火もつけてやるぞえ!」


「あいよ! そんじゃ、大人らしく働いてくるかぁ!」


 獰猛な笑みを浮かべてアーキッドが駆け出した。彼が駆け抜けるのは石畳や瓦礫の上、ではない。ミラルダが張り巡らせた黄金色の魔力糸の上だ。不安定そうに見えるが、しかし彼の身体はまったくぶれない。単純に彼のバランス感覚が優れていることもあるのだろう。しかしそれ以上に、訓練と信頼のなせる業である。


 右手に持ったステッキを水平に構え、左手で白い帽子を押さえながら、アーキッドは黄金色の魔力糸の上を疾走する。そして〈キーパー〉の不吉な赤い目がそれを捉えた。〈キーパー〉の片腕は拘束されているが、しかしもう片腕は自由だ。〈キーパー〉はその自由な方の腕を振りかぶったが、しかしイスメルがすぐさまそれを斬りおとす。


「ギィィィィイイイイ!!」


 苛立たしげな〈キーパー〉の絶叫。斬り飛ばされた腕はすぐに再生するだろう。しかしそれより早く、〈キーパー〉は残ったもう一方の腕にありったけの力をこめた。そして拘束していたミラルダの魔力糸を引き千切る。


「むっ? いかん!」


 ミラルダが声を上げるのと、〈キーパー〉が腕を振り上げるのは同時だった。狙いは言うまでもなくアーキッドだ。彼自身それを承知していたが、しかし顔に浮かべた獰猛な笑みは微塵も揺るがない。


 そんな彼を見て「不遜」とでも思ったのだろうか。まるでハエでも叩き潰すかのようにして、〈キーパー〉が腕を振り下ろした。しかしそこにアーキッドの姿はない。彼は上空に、それも〈キーパー〉の頭上を越える高さの場所にいた。


 足場にしていた魔力糸を、まるでバネのようにしならせて跳んだのである。もちろん、アーキッド一人の力ではない。タイミングを合わせて魔力糸を操作した、ミラルダの協力があってこそだ。しかもそれを声もかけずに即興でやって成功させたのである。


 跳び上がったアーキッドを、〈キーパー〉はまだ狙っていた。その口元には、炎が溜まっている。空中にいるアーキッドは身動きが取れない。炎が放たれれば、いっかんの終わりだ。しかしそれでも、彼に動揺は見られない。帽子を押さえたまま、変わらず獰猛な笑みを浮かべている。


 そしてまさらに炎が放たれようとしたその瞬間、イスメルが割り込んで〈キーパー〉の顔面に斬撃を浴びせた。放たれるはずだった炎が爆発する。それを見物して、アーキッドは口の端をさらに吊り上げた。


「ご苦労さん」


「恐悦、とでも言っておきましょうか?」


 空中でそんな会話を交わす。それからイスメルは落下していくアーキッドを見送った。彼は〈キーパー〉の腕の上に着地し、同時にステッキをそこへ突き刺す。そして酷薄にこう告げた。


「燃えっちまいな」


 そう言ってアーキッドはミラルダから借りた狐火を燃え上がらせる。その青い炎は、〈キーパー〉の腕を瞬く間に包み込んだ。


「ギィィィイイイイ!?」


〈キーパー〉が絶叫を上げる。そして燃える腕をアーキッドごと持ち上げて振り回した。しかしそれでも炎は消えないし、またアーキッドを振り落とすことも出来ない。いくら腕を振り回しても無駄だと気付いたのか、次に〈キーパー〉は驚くべき行動に出た。


 その燃える腕を、カムイ目掛けて叩き付けたのである。もちろん、イスメルがそれを許すはずも無い。狙いをつけた時点で、根元から斬り捨てている。しかしそれでも、彼女は少しだけ顔を険しくした。それは斬りおとされた腕から跳躍して、黄金色の魔力糸の上に着地したアーキッドも同じである。


「やるねぇ……!」


 斬りおとされた腕が燃え尽きるのを見ながら、アーキッドは獰猛な笑みを浮かべてそう呟いた。彼の目には、今まではなかった警戒の色が浮かんでいる。


 さっきの〈キーパー〉の行動は、破れかぶれのように見えて、実のところ計算づくだった。腕が燃えている状態なら、攻撃力は増している。それがカムイに当れば、いくら白夜叉で防御していても重症は免れない。一撃で死亡していた可能性も十分にある。


 しかしそれはあくまでもついでだ。本命は、その攻撃をおとりにして腕を斬らせることにあった。そうやって延焼を防ぐ。それが〈キーパー〉の狙いだったのだ。本能や衝動だけではない。理性を感じさせる戦い方だ。


(ま、これまでもそうだったか……)


 ここまで攻略戦のことを思い出し、アーキッドは改めて気を引き締めた。そしてポケットから〈魔法符:魔力回復用〉を取り出して、二枚まとめて破る。実はさっきの狐火で、結構魔力を消耗していたのだ。


 一分にも満たない、短い小康状態。その間に〈キーパー〉は両腕を再生させていた。そしてその両腕を誇示するかのように掲げてみせる。赤い目が妖しく光り、口元が吊りあがったのは、見間違いではないはずだ。


 その示威行動を前に、しかしすくみ上がるようなヤワな神経をイスメルもアーキッドも持ち合わせていない。イスメルは【ペルセス】の背で静かに双剣を構え、アーキッドも片手で帽子を押さえながらステッキの具合を確かめる。その様子を、カムイが下から見上げていた。


 彼は今、白夜叉のオーラをツル状にして〈キーパー〉の身体に巻きつけ、侵食して瘴気を奪っている真っ最中だ。もちろん、侵食できているのは全体から見ればほんの一部だし、瘴気を吸収するにしても存在を脅かすほどではない。しかしそれでも、効果は着実に現れていた。


(回復が鈍くなってきた……!)


 彼は戦闘に直接参加せず半分観戦している状態なのだが、だからこそその変化がはっきりとわかった。さっきの攻防では、〈キーパー〉の腕が再生する速度がはっきりと鈍っていた。そして再開された戦闘の中でも、その傾向は見て取れる。


 カムイは一つ頷いた。目に見える形で成果が現れれば、やはりモチベーションが上がる。それに一度狙われたと言うことは、もうアブソープションや〈オドの実〉の出力を抑えて隠密性を優先させる必要もないと言うことだ。


 そう考えて、カムイは吸収量を引き上げた。加えて相手はモンスター、つまり瘴気の塊そのものだ。吸収効率はこれまでの比ではない。


 ただ、これにはリスクも付きまとう。〈キーパー〉の身体に巻きついているのはツタ状に変化させた白夜叉のオーラ。これはもちろん〈エクシード〉を使いイメージを流し込むことで変化させているのだが、植物を模しているからなのか、〈オドの実〉のコアに使っている浄化樹の種からの影響を少なからず受けていた。


 要するに、吸収量が増えれば増えるほど、意識を押し流そうとする作用も強まるのだ。ただカムイもあれから経験を積んでいる。そう簡単に意識を失ったりはしない。彼は落ち着いてエネルギーの吸収と制御を続けた。


 しかしながら、それは当然〈キーパー〉にとっては面白くないことだ。いや、〈キーパー〉にそういう感情があるのかは分からない。しかし脅威と認識しているのは確かだ。そしてその認識が強まっていることも。


 それを証明するかのように、カムイを狙う攻撃が明らかに増えた。もちろん、イスメルとアーキッドがそれを許すはずもない。二人は息の合った連携で〈キーパー〉の攻撃を阻害した。


(順調、だな)


 アーキッドは内心で呟いた。一時はどうなることかと思ったが、ここまで作戦は順調に進んでいる。カムイに攻撃が集中し始めたのは誤算だったが、しかしそのおかげでイスメルとアーキッドは比較的自由に動けるようになり、むしろ迎撃と時間稼ぎはしやすくなった。


(後はこのまま……)


 後はこのまま、アストールの準備が終わるまで時間を稼げばいい。アーキッドはそう思っていた。それは決して、油断ではなかっただろう。しかし必要なレベルを勝手に区切ってしまっていたことは否めない。


 また〈キーパー〉がカムイを狙って腕を振り上げた。その腕をイスメルが根元から切り捨てる。遅延や驚きが無く、まるで流れ作業のようだ。だからこそその次に起こった出来事は、少なからず二人を驚愕させた。


「ギィィイ!」


 耳障りな雄叫びを上げながら、〈キーパー〉が腕を掴んだ。そう、イスメルに根元から切断された腕だ。普通、切断されたモンスターの一部と言うのは、すぐに解けて瘴気へと戻ってしまう。しかしそれまでの間のほんの短い時間を狙い、〈キーパー〉は切断された腕をもう一方の腕で掴んだのである。


 そしてその腕を、力の限り振るう。巨大な鈍器を振るっているようなものである。技も何もありはしないが、しかしその力と勢いだけは凄まじい。


 まず狙ったのはイスメル。彼女は【ペルセス】を操ってその一撃を避けた。しかし反射的であったことと、さらに思いのほか強い風にあおられて大きく距離を取ってしまう。そのせいで次の行動が遅れた。


「アードッ!」


 イスメルを狙った攻撃が、そのまま次にアーキッドを狙う。思いがけないその攻撃は彼を横から捉え、そしてそのままぶっ飛ばした。そして仕事は終わったとばかりに、鈍器代わりになっていた〈キーパー〉の腕が瘴気へと戻る。


「ぐぅ!?」


 アーキッドがうめき声を上げた。かろうじてガードが間に合ったから、致命傷にはなっていない。ただ衝撃は大きく、身体中の骨と筋肉が軋んだ。さらに空中では身動きが取れない。このままではどこかの壁か瓦礫の山にでも激突して、さらにダメージを負うことになるだろう。


 しかしそうはならなかった。黄金色の魔力糸が織り合わされて網状になり、飛んでくるアーキッドの身体を受け止めたのである。もちろんミラルダの仕事だ。あいにく「優しく」とはいかなかったが、それでも何もしなかった場合よりははるかにマシだ。こんな状況でも帽子を押さえて放さなかったアーキッドはそう思い、痛む身体を堪えて礼を言おうと口を開きかけ、そして絶句した。


〈キーパー〉の口元に炎が見える。その不吉な赤い目が見据えているのは、この場で最も目立つ巨体。つまりミラルダであり、その周辺にいる他のメンバーたちだ。これまで〈キーパー〉は彼らのことを無視していたが、しかし決して気付いていなかったわけではないのだ。


 アーキッドの位置からでは何もできない。イスメルも大きく距離を取りすぎた。〈伸閃〉の間合いの外だ。いや、届くことは届くのだが、しかし例の炎を防ぐ有効打にはならない。加えてこのタイミングでは、イスメルたちが退避するのも間に合わない。


 そしてついに炎が放たれる。これで万事休す、とはしかしならなかった。


「くっ! 【ペルセス】!」


 少し焦ったような声を上げ、イスメルが愛馬を走らせる。彼女は【守護障壁】を最大に展開し、そのまま〈キーパー〉の横っ面へ体当たりを敢行した。


「ギィ!?」


 短い悲鳴を上げながら、〈キーパー〉の巨体がよろめく。そのおかげで射線がずれ、レーザーのような炎はミラルダたちを大きく外れて着弾した。余波が吹き荒れるが、黄金色の魔力糸が壁状になってそれを防ぐ。


 危機一髪。誰もがそう思っただろう。イスメルさえ、そう思っていた。だからこそそれを見たとき、彼女は「久々に胆が冷えた」と後に話すことになる。


〈キーパー〉が、その口の端を吊り上げ、笑っていた。


 その瞬間、イスメルは直感した。腕を斬りおとしてからここまでの展開は、すべて〈キーパー〉の思惑通りだったのだ、と。であるならば、この次に狙われるのは……。


「カムイッ!」


 聞こえないかもしれないと思いつつ、それでもイスメルは叫んだ。それと同時に、〈キーパー〉がさきほど振りぬいた腕を突き出して伸ばす。その先にいるのは、イスメルが予見したとおりカムイだった。


 迫り来る黒い腕。カムイはそれを睨みつけるように見据えた。動くことはできない。いや動こうと思えば動けるが、その場合〈キーパー〉を侵食させている白夜叉のオーラをすべて諦めなければならない。それにこのタイミングでは、動いたからといって回避は難しいだろう。


 それでカムイは迎撃を選択した。防御ではない。迎撃である。彼はアブソープションと〈オドの実〉をオーバードライブ気味に駆使して、〈キーパー〉から奪う瘴気の量を一時的に増やした。


 もちろんそれで攻撃を止められるとは思っていない。しかしエネルギー量が増えれば、白夜叉のオーラ量も増やすことができる。そしてそうやって増やしたオーラをカムイは迎撃にまわしたのだ。


 その瞬間、カムイの目に映る全ての動きが突如としてゆっくりになった。スキル〈戦境地〉が発動したのだ。しかし彼にそれを意識している余裕はない。引き伸ばされた時間の中、思考だけが加速していく。


(イメージしろ!)


 カムイは自分にそう言い聞かせた。そしてそのイメージは〈エクシード〉を介して彼の魔力に染み込み、白夜叉のオーラを変形させていく。


 彼の右の肩の付け根の辺りから、腕が一本現れる。もちろん生身ではなく、白夜叉のオーラで構成された腕だ。その腕は彼が使う鋭い爪を持った“グローブ”そっくりだった。


 ただし、でかい。普段使っている“グローブ”の三倍はあろうかと言う大きさだ。そしてその巨大な“グローブ”で、カムイは迫り来る〈キーパー〉の腕を受け止め、さらに手のひらを合わせ拳を握るようにして捕まえた。


「おおおおおおお!!」


 カムイが雄叫びを上げた。このまま捕まえておけば、〈キーパー〉の動きをかなりの程度封じることが出来る。それに彼はただ〈キーパー〉の腕を捕まえているだけではない。同時に瘴気の吸収もしているのだ。


「ギィィィイイ!」


〈キーパー〉は拘束から逃れようとして腕を振り回すが、しかしカムイはしっかりと掴んで放さない。白夜叉のオーラで構成された“グローブ”には、当たり前だが筋肉はない。つまりその腕力は、しかし筋力には依存していないのだ。


 では何に左右されるかと言うと、それはイメージである。「自分の方が力が強い」というイメージを持つことで、カムイは〈キーパー〉の怪力に対抗していた。〈エクシード〉がその一助となっていることは言うまでもない。


 業を煮やした〈キーパー〉はもう片腕を再生し、両手でカムイにつかみかかった。しかしカムイも黙ってはいない。彼ももう一本“グローブ”を、今度は左肩の付け根の辺りからはやしてそれを迎え撃つ。それでカムイと〈キーパー〉は、がっちりと手を組み合って力比べをしているような格好になった。


 その力比べで有利なのは、なんとカムイの側だった。がっちりと両手を組んだことで、吸収できるエネルギー量が跳ね上がっているのである。流れ込んでくるエネルギーの力強い脈動が彼に自信を与え、さらにイメージを強化しているのだ。


 逆に〈キーパー〉にとって、それは無視できるものではなかったはずだ。嫌がるように両腕を振り回すが、しかしカムイは放さない。そうしているうちにさらに吸収するエネルギー量は増え、二つの“グローブ”を維持するだけでは余るほどになった。


 余ったエネルギーは、消費しなければいけない。ただこのときカムイは〈キーパー〉と力比べをするだけで精一杯で、新たなエネルギーの制御にまで意識が回っていなかった。だからそれは無意識の、いわば反射的反応だったのだろう。白夜叉のオーラが、新たな形を取り始めた。


「あれは……」


 それを見たカレンが小さく呟く。彼女はカムイからは離れた位置で力比べを見守っていたのだが、その全貌をはっきりと見ることができた。


 二つの“グローブ”の間で、白夜叉のオーラが膨れ上がる。そのオーラは徐々に形を取り始め、そして人間の頭部と胸部を構成した。肩から伸びる両腕は、言うまでもなく二つの“グローブ”だ。やがて造形されたその顔は、むかし浅草で見た巨大な彫刻像のそれを髣髴とさせた。


(まるで……)


 まるで、白い巨人のようだ。カレンはそう思った。胸部から上しかないが、しかしその姿は紛れもなく巨人そのものだ。同じくそれを見ていたロロイヤが、彼女の隣でこう呟いた。


「ふむ、〈キーパー〉を模したか」


 それを聞いてカレンは思わずドキリとした。敵の姿を模倣する。ただの直感だが、なんだかそれは不吉なことのように思えたのだ。そんな心情のせいか、彼女は少し不安そうに白い巨人の姿を見つめた。


 さてその白い巨人だが、〈キーパー〉にとってはたいそう不愉快なシロモノであったに違いない。まるで敵意をむき出しにするようにしいて、〈キーパー〉は耳障りな雄叫びを上げた。


「ギィィイイイイイ!」


 叫ぶその口元に炎が集まり、そして放たれる。レーザーのようなその炎は白い巨人の胸を貫いた。しかし白い巨人とは、つまり白夜叉のオーラの集合体。血がかよっているわけでもなく、胸を貫かれたからと言って痛痒を感じたりはしない。


 それどころかその胸の穴は瞬く間に塞がっていく。まるで〈キーパー〉の回復能力のようだ。しかもそれを支えているのが、他でもない〈キーパー〉から奪った瘴気なのだから、なかなか皮肉が聞いているというべきか。なんにしても〈キーパー〉にとっては、堪ったものではなかっただろう。


 白い巨人を生み出したことで、カムイは地面を這わせていたオーラの“根”を維持する必要がなくなっていた。組み合った両手から、十分な量のエネルギーを吸収できるからだ。それからは“根”を放棄し、巨人の制御に注力することにした。


 その結果、まず“根”にまわしていたオーラがあまり、それを回す形で白い巨人がさらに人型へと近づいた。胸部から上だけだったのが、上半身をそろえるようになったのだ。そのせいでますます〈キーパー〉に似る姿となったのだが、それはそれとして。


 さらにカムイの意識にも変化が現れた。“根”という、浄化樹に近い部分がなくなったことで、そのフィードバックが薄くなったのだ。オドの奔流は変わらず彼の中で渦巻いている。しかし意識を押し流そうとする力は、確かに弱まった。


「ああぁぁああああああ!!」


 その雄叫びを上げたのは、果してカムイだったのか、それとも白い巨人だったのか。今やカムイはただ一人で〈キーパー〉を押さえ込んでいた。そこへ、アストールの声が響く。


「準備できましたっ!!」


 彼の準備がこのタイミングで完了したのは、決して偶然ではない。地面を張っていた白夜叉のオーラがなくなり、その部分で難航していた〈聖銀糸〉と魔力糸の敷設がスムーズにできるようになったのだ。これもまた白い巨人が現れたがための推移の一つと言えた。


 アストールの準備が整ったところで、まず動いたのはイスメルだった。彼女は〈キーパー〉の背後に回りこみ、その両腕を根元から斬り捨てる。その両腕はカムイが吸収し、両腕が自由になった白い巨人はその両手を組んで高々と掲げ、そして〈キーパー〉の頭上に特大の拳を叩き付けた。


 そこでカムイはオーラ量を維持できなくなり、白い巨人が霞のように消えていく。そして完全に消えきるより前に、アーキッドがこう叫んだ。


「よしクレハ、やれっ!!」


「はい!」


 返事をするのと同時に、呉羽は愛刀【草薙剣/天叢雲剣】に力をこめた。すでに〈キーパー〉周辺の大地は掌握済みである。彼女はすぐさま〈雷樹・煉獄〉を発動させた。


「ギィィィィィィイイイ!!?」


 紫電の雷樹の身体を焼かれ、〈キーパー〉は絶叫を上げた。しかしその強力な一撃を叩き込みながらも、アストールと呉羽の表情は優れない。大規模であるために、魔力の消費が思った以上に激しいのだ。


「回復をお願いします!」


 アストールの要請に、キキとリムとカレンの三人がすぐに応えた。彼女たちは用意しておいた〈魔法符:魔力回復用〉を惜しげもなく二人に使っていく。しかし回復するそばからその魔力は消費され、溜まることがない。ストックが猛烈な勢いで減っていくが、しかしそのおかげで〈雷樹・煉獄〉は揺らぐことなく維持された。


「これで、最後です……!」


 リムが最後の〈魔法符:魔力回復用〉をアストールに使う。そのすぐ後、魔力が足りなくなり〈雷樹・煉獄〉が鎮まっていく。肩で息をする呉羽の見据える先には、身体から黒い煙を上げる〈キーパー〉の姿があった。


 虫の息であることは、間違いない。しかし不吉なその赤い眼は、色を失ってはいなかった。つまりまだ、倒しきれていないのだ。それを見たイスメルが、ミラルダが、アーキッドが動こうとしたその中で、しかし最も早く動いたのはロロイヤだった。


「コイツを使うにはいい舞台だ」


 ニヤリと笑みを浮かべたロロイヤが杖を構える。その先には魔法陣が展開されており、そしてダチョウの卵ほどの大きさを持つ深紅の魔昌石が浮かんでいた。かつて遺跡の神殿に出現した、〈キーパー〉と同種のモンスターが残した魔昌石だ。アストールから見せてもらったそれに、彼は術式を施して〈爆裂石〉に加工しておいたのである。使わない公算の方が大きかったのだが、一点モノにして使い捨ての魔道具を使うには最高の舞台だった。


 そしてロロイヤは展開した魔法陣を発動させる。その瞬間、目にもとまらぬ速さで〈爆裂石〉が放たれた。その特別製の〈爆裂石〉は〈キーパー〉の胸元に着弾し大きな爆発を引き起こした。


 それが、決着の一撃となった。〈キーパー〉の目が色を失い、身体が解けて瘴気へと還っていく。ただ、その量は膨大だった。視界を真っ黒に塗りつぶすほどの量の瘴気が解き放たれ、そして徐々に拡散していく。瘴気濃度が安全域まで下がるのに、十分ほどが必要だった。


「やれやれ……。これぞ最後の自爆攻撃ってヤツだな」


 そう言ってアーキッドが苦笑を浮かべる。彼の頭には帽子がない。〈キーパー〉の攻撃をくらったときに、どこかへ飛んでいってしまったのだ。


 まあそれはともかくとしても、アーキッドの言うとおり〈キーパー〉を倒した後に拡散した瘴気は、それだけで危険なシロモノだった。なんの対策もしていなければあの高濃度瘴気の中で身動きが取れなくなり、高い確率で命を落としていただろう。ただ今回アーキッドたちはカレンのすぐそばに集まっていたので、それをやり過ごすことができた。カムイはこの場にいないのだが、彼には白夜叉があるのできっと大丈夫だ。


「さあて、戦利品を回収しにいくか」


「うほ、お宝お宝!」


 アーキッドの言葉を聞いて、キキがテンションを上げた。これまでの経験則からして、強力なモンスターほど大きな魔昌石を残す。では〈キーパー〉が残した魔昌石は一体どれほどなのか。程度の差こそあれ、全員が興味をそそられていた。


 瓦礫の山の中を歩き、〈キーパー〉がいた場所へと向かう。歩きにくい場所は、ミラルダが瓦礫を取り除いて進んだ。


「お、カムイ。先に来てたか」


 アーキッドがカムイの姿を見つけて声をかける。彼は片手を上げてそれに応じた。そして練兵場にあいた巨大なくぼ地(〈キーパー〉がいた場所だ)を指差し、少し興奮した様子でこう言った。


「すごいことになってますよ」


 カムイが指差す先を見て、アーキッドは思わず目を見開き絶句した。そこには巨大な魔昌石が一つ、横たわっている。ただ、それは予想したとおりのものだ。彼が言葉を失うほどに驚いたもの。それは魔昌石の周りに浮かぶ、合計二十個の透明な結晶体だった。


「アレは……、とんでもないモノのような気がする……!」


 キキが興奮気味にそう呟く。それを聞いてカムイは重々しく頷いた。彼女は以前から〈鑑定〉のスキルを習得するべく、いろいろと努力していた。そのスキルがあの結晶体に反応したと考えるのは、決して荒唐無稽ではないはずだ。


 とにもかくにも、回収してみないことには始まらない。結晶体はちょうど二十個あるので、一人二個ずつということになった。


 近づき手を差し伸べてみると、触れてもいないのに結晶体のほうからスッと近づいてくる。持っているわけではないので、重さは感じない。カムイは手のひらに浮かぶ結晶体をまじまじと眺めた。


 その瞬間、「ポン」という電子音が響き、彼の目の前にシステムメッセージが現れる。それはこんなメッセージだった。


 ――――【システムメニューに【環境復元スフィア】の項目が追加されました】



第六章― 完 ―



 おまけ


「ところでキキ」

「何かねカムイさんや」

「〈話術〉のほうは、どうなった?」

「…………」

 目ぇ逸らしやがった!


 今度こそ完!


というわけで。

〈北の城砦〉攻略作戦、いかがでしたでしょうか?


新月的には攻城戦でやりたいことは大体できたかな、と思っています。

続きはまた気長におまちくださいませ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 移動中の修行編はややだれ気味に感じましたが、攻城編は良い感じでした。 主人公側だけでなく相手も対策を講じてくるのはやはり楽しい。 [一言] すっごいゲーム的なものきた! ゲームでしたねこれ…
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