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夢を叶えに  作者: 銀の字
3/6

2回表

 この日は身体測定もあった。学年ごとに行うのでかなり多い、だいたい250人近くいるのだ。

 それでも順調に進み大体の検査が終わり、秋月は同じ小学校だった友達とクラスの様子や部活のことについて話している時、後ろから検査用紙を引ったくられた。

 「あぁ!バカ返せ!」

 と、用紙を奪い返そうとするが、時雨に上に持ち上げられてしまったら取り返すのには時間がかかる。

 「わかったわかった。これでいいだろ」

 と、時雨は自分の検査用紙を渡してきた。


 「お前、意外と体重ないのな」

 時雨の最初の感想はそれだった。秋月の身長は163cm。確かにその体重なら軽いかもしれない。

 結局奪い返えせず普通に見せる形になってしまい。秋月は時雨の用紙をふてくされながら見ていた。

 「すごっ!時雨君172もあるの?でかすぎない」

 と、一緒に見ていた秋月の友達の美弥が言う。

 「いやいや。もっとでかくなるぞオレは。それよりそっちのも見せてよ不公平だぞ」

 「いやだよー体重書いてるんだから」

 と、時雨に言われ用紙を見ていた亜美が嫌がる。

 「そうだ時雨君。野球部にあきちゃんも入れるの?」

 と、秋月に聞こえないようにして美弥が時雨にコッソリと言う。

 「そうだけど」

 何をバカな質問するんだと言う顔で時雨は言った。

 「いい。あきちゃんは女の子なんだからね。そこらへん考えてよね」

 時雨君たちは絶対秋月を女子扱いしていないと小学校のころから美弥は思っていたからだ。そういえばなぜ時雨君しか朝日中にいないのか秋月に聞いたが曖昧な返事しか返してくれなかった。

 「わかってるよ」

 と、ニヤリっと笑いながら時雨は言った。聞こえないように近づいていたため、間近で見たその表情に美弥はドキリとする。

 時雨は整った顔立ちに背が高く、スポーツ万能。どちらかと言うとクラスを引っ張るタイプだったし、人気度はかなり高かった。と、言うか時雨たちの野球チームのメンバーは全員人気者でもあり、当時から誰がいいかなど女子の間ではかなり熱の入った話題だった。

 その仲間の中に女子の秋月がいたのだが、嫉妬などの対象などにもならなかった。

 それは、秋月自身も男女問わず人気があり、時雨と同じく整った顔立ち。つまりは美人であった。

 性格も良くチームメンバーに乗せられていたこともあるが、クラスの中心の1人で、男子なんかがふざけて誰かに迷惑をかけてたりしたら、代わりに注意するようなタイプの人間だった。

  

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