1.現金な旅人
私の名前はアテナ
長髪の黒髪で紅色の目をした可憐でかわいい旅人です。
突然ですが、今私は盗賊と戦っています。
なぜこのような事態になったのか、ときは数時間前に遡ります。
◇
「ここはいい町ですね」
町を歩いているときに私はそう思いました。
のどかな景色に鳥のさえずり......そして、香ばしいパンの香りが漂ってくるのです。
そんなことを考えていたときのこと
「そこの剣を持った旅人さん」
剣を持った旅人とは一体誰のことでしょうか?
「黒髪の綺麗なお嬢さん。あなたですよ」
他のだれでもないこの私のことです。
「どうしました?」
声の聞こえる方を振り返ると小柄で横に大きい男性がいました。
「突然すみません。私、商人のキムラと申します。」
「そうですか......それで、商人さんが一体私に何の用ですか?」
「先ほども言った通り商人なものでそろそろ次の町に移ろうと思っていたのですが、護衛をしていただける方が誰もいないのです。」
それはそうよ。
こんな魔物が活発になる時期に人を守りながら次の町に行こうとする命知らずがいるわけないでしょ。
「もしよければここから東にある町まで護衛してもらえませんか」
依頼する時期が悪すぎる、さすがにこれは断るしかないですね。
「お言葉ですが、お断りさせて」
「報酬は金貨10枚でいかがでしょうか?」
「喜んで引き受けさせていただきます」
金貨10枚なんて大金を易々逃してたまるものですか。
◇
「えい!や!は!」
「アテナさんは強いんですね、こうもあっさりゴブリン3体を倒してしまうなんて」
「それに、なんて美しい剣筋」
そりゃあそうですよ。これでも毎日特訓は欠かしていないので。
「もっと褒めてもいいんですよ」
えっへん!
「ところで、目的の町まであとどれほどかかりますか?」
「そうですね、あと4時間もあれば町に着きますよ」
「そうなんですね」
この辺りの魔物はスライムがほとんどでたまにゴブリンやアルミラージが出てくる程度だから大丈夫そう
◇
あれから数時間が経過したあたりで事件が起こりました。
「おいてめぇら!さっさと馬車から降りやがれ!!」
なんですか一体
「無視してんじゃねぇ!」
仕方がないので声のする方を向くと、片手で数えられる程度の人数しかいない盗賊っぽい人たちがいました。
「俺たちは盗賊だ!」
3流っぽい
「痛めつけられたくなかったら有り金全部置いていきな!」
全然怖くない
「ひぃぃ」
商人さんが震えています。
「何をしているさっさと有り金を全部よこせ!」
迫力は......少しぐらいはありそうですね。
「女だ!女がいる!奴隷n」
剣の鞘で頭を叩く
「最低です。決めました......こいつからやります」
「もう......やって......る」
一人やりました
「な......なんだこの女!」
「やべぇですぜ兄貴!早く逃げましょうぜ」
「そう易々と逃げられるかよ!」
「あいつの仇をとるためにこの女を倒すぞ!」
「仲間思いなんですね。」
「ですが、後ろにも気を付けないとすぐにやられますよ」
「な!」
二人目
「あ......兄貴ー!!!」
「えい」
「ごふ」
三人目
「うおりゃあ!」
冷静に......落ち着いて......
「な」
剣をあてて...押し込む!
「この女......力が強い......まるで」
剣を弾き飛ばし......そのままの勢いで頭を叩く!
四人目
「商人さん。終わりましたよ。」
商人さんに声をかける......Vサインを向けながら
◇
「アテナさん。ありがとうございます。無事に町に着くことができました。」
「いえいえ。依頼を遂行しただけですので。」
「ですが、アテナさんがいなければこの町に来ることもできず盗賊に殺されていたかもしれません。アテナさんに頼んでよかったです。」
「こちら、報酬の金貨10枚です。」
「はい、確かに受け取りました。」
「それでは私はこれで失礼します」
そう言い彼女はこの場を去りました。
また機会があれば彼女に依頼するのもいいかもと私は思いました。
◇
「えへへ......お金がこんなにいっぱい......これだけあればしばらく贅沢な暮らしをしても問題なく暮らせる」
そんなことを呟きながら、私は町を散策し今日の泊まる場所を探している。




