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世界へ侵略者

頭の中で声が聞こえる。



ああ…視界が開けてきた…。



俺は寝ていたのか…。

声は目の前で聞こえていたんだ……。



「おお!目を覚ましたぞ!」


…知らない部屋だ…ああそうか…俺は事故にあってここは病院か……病院か…ベッドがあまりにも固いし、衛生的な臭いがしない…。


「痛…!!」


起き上がれない…全身が痛い…。

それに周りが慌ただしい…どうやら先程まで隣に居た者が誰かを呼びに行った様だ。


「よい、下がっていろ。」「ははっ!」


…女?3-40か…?しかし威圧的な声だ。


「()♯♭♪★☆ฅ…」


何だ?上手く聞き取れない…


「痛みは無い筈だ、言葉は話せるか?」

そう言い俺の足の上に座りやがった。不思議と感覚は無くケツの温かさも伝わらなかった。


「え!?あ、本当だ!」

「治した訳ではない、痛みを感じない様にしただけだ、無理したら元には戻らんぞ。」

今まで動かなかった上体を起こしたがすぐに横になった、おそらく肋を折っているのか息苦しさが増したからだ。

何より今の全身麻酔みたいな感覚含め、異常な現実に恐怖すら覚える。


「あなたは…?」

恐る恐る口にする。

「質問は私がする、お前は答えるだけでいい。」

…医者じゃない、この時また少し冷静になって震えた。


「お前は誰だ?」


「山寺 天助。」

…素直に本名を言ってしまった。


「その名前…異世界人だな。」

女の表情に笑みが混ざる。…これは助かるのか?

そもそも異世界人?日本語を話しているのにか…?

謎が謎を呼ぶ。


「お前は先程小規模の爆発の中心部に居た。これに心当たりは?」


爆発…?本当に分からない…。

俺のケガはそのせいなのか?


天助「無い…そもそも爆発も何のことか分からない…」

考える間もなく次の質問が飛んでくる。

「良し…じゃあこの国を言ってみろ」

天助「…?に…日本?」


「完璧だ、聞いていた通りだ。良かったな、命は助けてやる。」そう言って彼女はまた呪文を唱える


「;¥〃灬/\!!」

そう唱えると身体の全身の傷が癒え先程までの息苦しさが無くなった。


「歩けるな?」

天助「はい、今の身体なら…」

半信半疑だったが1歩目を踏み出した瞬間生まれて初めて魔法を信じた。


「着いて来い、お前に仕事をやろう。」

天助「し…仕事!?」若干顔が引き攣る。

「何だ嫌そうだな、貴様ら転生人は仕事が好きだと聞いていたがあれは嘘か。」

天助「……それは仕事をしてる時間が長い民族が、他の民族に茶化されてるだけです。」

「お前はその民族なのか?」

天助「悔しいですがその民族です。」

「じゃあ今からプレゼントをやろう。」

天助「\(^o^)/」


「着いたぞ、ハローワークだ」

天助「何でその名前!?」

「異世界人が分かりやすい様に配慮だとよ。ちなみに私はそこの責任者のパゥワ ・スハラだ。親しみを込めてパワハラ姉さんと呼んでくれ。」


天助「…了解しました。」

パゥワ「セィクは居るかい!?呼んどくれ!」

セィク「聞こえてるわよ、それにこっちの席取っといたからこっち来て!」


何だここは…まるで中世のRPGの世界だ…!

鎧を着た男も…女もいる!



パゥワ「流石セィク、他の奴らも見習いなよ!」

セィク「目立つのが嫌いなのよ、簡単な書面は集めといたわ。転生人の男の子ね。」

天助「だと…思います。」


凄い綺麗な人だ…。170はある…モデルみたいだ。


セィク「なら貴方の必要な情報も大体この冊子に載ってるわ。質問する前にそれを読んでね!」

天助「は…はい。(綺麗な人だけど淡々としてるなぁ…)」

セィク「母国語は日本語ね、聞いててすぐ分かったわ。アンタの所の言葉と何故かこの世界の言語は何故か共通なの。不思議よねぇ〜。」

そう言って天助にペンと用紙を渡す。


万年筆…?見よう見まねでペンを持つ。


パゥワ「上から書いていきな。」

天助「名前…年齢…生年月日は無いんだ…性別はもう男に○してある…」


パゥワ「性別なら寝てる間にセィクが確認済なんだわ。」

天助「……え?」

顔を上げたらしてやったり顔のセィク。

セィク「…(ニコッ)」

天助「……(こんなの若い時なら性癖壊れるやろな)

つ…次書こう…。えと…ステータス?身体重の事?」


セィク「いえ、これはこちらが教えますので天助様は用紙に手を置いて下さい。」

天助「…こう?」

パゥワ「…。」

セィク「ゞゝ⊂⊃乁厂●゜」


用紙に落ちた影が動きそれが文字になる。

恐怖で手を引っ込めたがそれでも影は動く。


総合値99


天助「総合値?」

セィク「…!!」

パゥワ「私は仕事が出来たから行くよ、後はやっといてくれ。」

天助「これは高いのか?」

セィク「惜しいですね、100あれば出来る仕事があったんですがその1歩手前です。」

天助「その100の仕事とは?」

セィク「勇者です。貴方の国で言えば征夷大将軍みたいなもんです。」

天助「救命された後に勅命はキツイので良かったです。」

セィク「とは言え99の総合値を持っている貴方様は貴重な人材ですので、ある程度の優遇措置が受けられます。転生書の56ページを見てください。」


天助「(えらい優しくなったな…そらそうか。勇者1歩手前の存在だもんな。)ええと…住居と住民権、資金の無利子貸出…凄い、大学の受講も出来る!」

セィク「はい、なので今から発行するのは住民権を兼ねたこちらの利用パスの様なものです。」

天助「いたせりつくせりだな…。そんなにしてくれるって事は仕事が大変なのか?」


セィク「そうですね貴方様には…」

パゥワ「おう、戻ったぜ、天助仕事だ!」

天助「(すごい…ちゃんと表彰状みたいな紙だ…)」

セィク「読み上げます、……未開拓地の開拓…進行を」

天助「屯田兵じゃねえか。(……いや待てよ、耕した土地が貰えるなら何も無い自分達からしたら助かるのでは?)…すいません地図ってありますか?」


パゥワ「熱心だね、あんたの職場が気になるかい?その本の最後に載ってるだろう、見てみな。」


天助「現在地は…。」

パゥワ「あんたが今居る所はここ、ディフェンテン。ここを西に行った所に大きな橋があるんだ。あんたが向かわされるのはこのカターダって言う所さ。」


天助「…。そのカターダの北は村や都市が無いな。」

パゥワ「そう、この辺りは港町として期待されているが、如何せんゾンビやら敵が多いと聞いている。」

天助「ぞ…そんび!?俺はそんなヤバい所に行くのか!」

パゥワ「確かに匂いはヤバいが、人を斬るより良いだろう。まあ、あんたの総合値の内訳次第じゃ多少は余裕があるかもしれないね。」




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