2-3. お兄様が認めた人
今日は、いよいよ青春祭当日。
わたしたちはアイドル衣装を着て、メイクもヘアもばっちり!
出番前のリハーサルまではフリータイム。
だけど、わたしは朝から“探し者”中。
……そう、ハオのこと。
衣装を見たくて、そわそわが止まらない。
自分の発表もあるのに、頭の中はハオでいっぱい。
そんな自分も、なんかもう愛しい。
みんな派手な格好だから、
仮面をつけてても目立たないのが悔しい〜!
でも──
「あ!いた!」
ようやく、すみっこにいるハオを発見。
嬉しくて、ぴょんぴょん駆け寄る。
「ハオ、おはよ〜!」
「おはよ。ネネルーナはその衣装で踊るの?」
「そうだよ〜。可愛いでしょ?」
くるりと回って首をかしげると、
「いや、ケツが見えそう。短くね?」
……ちょっ、ちょっとハオ!?
“ケツ”って言い方! 砕けすぎでしょ!!
その時──
「ネネルーナ」
と、ふいに後ろから肩に手を置いてきたのは──お兄様!
「お兄様! おはようございます」
「ネネの衣装、すっごく可愛いし似合ってるな。
……ただ、スカートがちょっと短すぎないか?」
って、また!?
お兄様まで、同じこと言ってくる〜!
なんだかおかしくなって、吹き出してしまった。
「ハオもお兄様も同じこと言ってる〜!」
きゃっきゃっと笑うと、近くにいた留学生たちまでつられて笑ってる。
「いや、そう思ったよな?」
お兄様がハオに同意を求めると──
「全く、同感です」
って、ハオも真顔で返してて。
このやりとりがまた、ツボすぎた!
すると──
お兄様はふいに真剣な顔で、ハオの肩に手を置いて、
「ハオ君。
……わたしは君を、信頼できる男として認めるよ」
……え?
なにその謎の“承認コメント”!?
「光栄です」
ぺこっと礼をするハオ。
あれ、意外とノリいいのかも?
お兄様の冗談に、ちゃんとのれてる。




