表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界の王女は、恋をしてはいけない人に恋をしたーアイドルを夢見るわたしですが、世の中は厳しすぎますー  作者: りなる あい
第11章 ~4年生学期末 誕生祭の裏側で~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/121

11-5. 壊れた心に残ったもの

お兄様は、すみにひとりでいた私を見つけると、迷わず駆け寄ってきた。

そして――何も言わずに、ぎゅっと抱きしめてくれた。

あたたかくて、力強くて、

その瞬間、張り詰めていたものがすべて崩れた。

ずっと、泣いちゃいけないって思ってた。

でも、お兄様の腕の中では――もう、我慢できなかった。


「……どうして……どうしてなの……!」


言葉にならない想いが、涙と一緒にこぼれていく。

ハオが、敵だった。

その事実が、心に突き刺さる。

認めたくなかった。信じたくなかった。

でも、もう……戻れない。


「お兄様……わたし……ハオが……す、すきなの……でも……どうしたら、いいか……わからないの……」


しゃくりあげながら、うまく言葉が出てこない。

胸が苦しくて、息をするのもつらい。

そんな私を、お兄様はずっと、黙って抱きしめていてくれた。


「……わかるよ。俺も、苦しい。……ハオに、裏切られたことが」


お兄様の声も、どこか震えていた。

そのひと言が、深く刺さる。


――そっか。

わたしたちは、裏切られたんだ……。


どこか現実味がなかったその言葉が、

ようやく胸の奥に落ちてきて。


涙と一緒に、心にしずかに刻まれていった。

消えない、傷のように。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ