9-3. 世界に、わたしの想いを放つ
毎日7時と21時更新予定ですが、
最近、スケジュールミスが連発しておりすみません…
あたたかく見守っていただけますと幸いです!
ついに第三審査の日がやってきた。
大切な日こそ、「意図」を大切にしたい。
そう思って、朝から自分と向き合う。
今回の審査では、作文をもとに、より深く掘り下げるインタビューが行われる。
「うまく答えよう」
「想いを理解してもらおう」
「相手に届けよう」
—— そう思ってしまいがちだけど、私が本当に大事にしたいのは、そこじゃない。
「ちゃんと伝わったかな……」と不安になるのは、
きっと“相手の反応”を意図してしまっているから。
伝えたいことがある。
それだけで、十分じゃない?
たとえうまく言えなかったとしても、それが今の私なんだと思う。
だから私は、
「想いを世界に放つこと」
「自分の真実を、そこに置くこと」
を意図する。
そうすれば、どんな結果になっても、自分のままでいられるから。
「なぜそこまで音楽の可能性を信じることができるのですか?」
審査員からの問いは、どれも核心を突いてくるものだった。
スラスラ答えることよりも、自分の言葉で、自分のペースで伝えることを大事にする。
「この世界には、私たちを刺激するものがあふれています。目、耳、体感、味……さまざまな感覚から、いろんなことを感じ取ることができます。
音楽は、強い刺激を与えるものではないかもしれません。でも私は、**心地よく、自然に日常へ入り込む“やさしい刺激”**だと思っています。」
「なるほど。」
頷きながら耳を傾ける審査員の方たち。
わたしの言葉を理解しようとしてくれているのが伝わってきて、その姿勢に胸が熱くなった。
「人は、何を聴くか、自分で選べる時もあれば、選べない時もあると思います。
私がアイドルになって、誰かがファンになってくれたら——その人の日常に、“真・善・美”のエネルギーを音楽を通して届けたいんです。
たとえアイドルに興味がなかったとしても、私たちが放つエネルギーが巡り巡って、誰かの光になったり、社会を照らすことができる——そう信じています。」
うまく伝えられたかは、正直わからない。
でも、今日の私にできるすべてを、ちゃんと世界に放てたと思う。
審査員の心のどこかに、ほんの小さな灯がともっていたなら——
それがいつか、誰かの光になりますように。
――そんな祈りとともに、私の第三審査は終わった。




