表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界の王女は、恋をしてはいけない人に恋をしたーアイドルを夢見るわたしですが、世の中は厳しすぎますー  作者: りなる あい
第五章 ~3年生 前期~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/74

5-2. ハオ視点: エテ・コリントスの招待状

俺は5年生になってからも、機会を見つけてはフェル先生の元へ通っていた。

いつ行っても新しい発見や学びがあり、自分の価値観も新しくなっていくことが刺激的だった。


そして、俺の中で何となくだが、掴みたいもの、知りたいものをフェル先生が持っている気がした。

この軍事国家バレンシャン王国にとって、必要な何かを…


「シオルン君はとても熱心ですね。」


「バレンシャン王国にとって少しでもプラスになることは学びたいと思っているんです。

黒魔法への価値観をどうバレンシャンにも持ち込むかを考えていて…」


「もし黒魔法の歴史に興味があれば、王城の図書館にある、禁書扱いの文献──『エテ・コリントスの封印記録書』を読んでみるといいかもしれませんね。

人に説明したり伝えたりするときに、文献を用いると信ぴょう性が上がりますから。

興味があれば、わたしが許可証を発行しましょう」


「いいのですか…?

お手数をおかけしますが、お願いしてもよろしいでしょうか…?」


すると、コンコンとドアをノックする音が聞こえ、中へ入ってきたのはアドリアン様だった。


「あら?アドリアン、どうしたの?」


「黒魔法のシルビー先生から、こちらを預かってきました。」


「ありがとう。

ちょうどよかった。

シルビー先生にこのメモを渡しておいてくれるかしら?

パシリにしちゃってごめんなさいね。」


「お安いご用ですよ。」


アドリアン様は礼をすると、すぐに部屋を出ていった。

それにしても、何だかアドリアン様と距離が近いと感じたのは気のせいだろうか…

苗字じゃなくて、名前で呼んでいたし…

フェル先生は敬語を使ってなかったし…

慕っている生徒の1人なのだろうか…


「今週の土日は空いていますか?

もし都合があれば、今週末で許可証を出しておきますね。」


「ありがとうございます。」


俺は次の授業へ向かうために、先生の部屋を出た。


フェル先生はすぐに許可証を出してくれた。

王城の禁書扱いの本の許可証をすぐに取ることができるとは…

フェル先生への謎が深まるばかりだった…


次の授業へ向かう途中、ガラス張りのダンスホールがある。

時々、ネネルーナがそこで練習していることを俺は知っている。

今は、空き時間じゃなかったのか、そこにはいなかった。


代わりに男の先輩がダンスの練習をしていた。

アイドルになりたい人はこんなにもいるのだと、バレンシャンにいる時は知らなかった。

バレンシャンは、アイドルグループがそもそも少ない。

サーラーン王国の明るい空気感が俺は好きだと思った。

音楽の質も、エネルギーも、ポジティブで前向きだと感じた。

バレンシャンにもこんな音楽が溢れたらいいのにな…と思いながら歩みを進めるのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ