14-3. 黒き炎、紫の守護
2日目のステージがもうすぐ始まる。
アメジストのお守りを靴につけて透明化の魔法をかけた。
今ではこのお守りをつけることが、パフォーマンス前のわたしのルーティンになっている。
このお守りに宣言をすると気合が入る。
武舞袖まで、観客の声援が聞こえる。
待っている時から、ここまで応援してくれていることに、胸が熱くなる。
私たちもその熱量に応えたい。
さあ、わたしたちのステージが今、始まるー
暗いステージに突如煙が立ち上る。
水型と土型で織りなす魔法だ。
この煙にはキラキラの粒子も入っていて、少しずつ照らされるライトでキラキラ反射する。
わたしたち10人のシルエットが浮かび上がる。
一斉に拍手と声が広がっていく。
今回のワールドツアーは、デビュー曲からスタートしている。
最初に、ファンの方に魔法をかけるからだ。
みんなの希望や光が輝きますように、という願いを込める。
わたしは自分のパートでつい、感極まって泣きそうになってしまった。
泣いてしまったら、歌えなくなるから、避けたいんだけど、抑えることができなかった。
一曲目が決まり、MCタイムが始まった。
「バレンシャンのみんなー!初めましてー!」
「おぉーーー!!!」
わたしたちからの呼びかけにファンが声援で答える。
「今日はこれからどんどん盛り上がっていくよー!」
「おぉーーー!!!」
「1曲目は、わたしたちのデビュー曲『魔法にかけられて』を披露しました。みんな、もう魔法にかかったかなー?」
「おぉーーー!!!」
✳︎
わたしたちのトークタイムで、さっそくイジられた。
「ところで、ネネ、一曲目から感動してたね!」
「そうなの。歌いながら青い空をみたら、ウルってきちゃった」
「きゃーーー!!!」
ファンのLUXのみんなが歓声で答えてくれるのがありがたかった。
「みんなー、ありがとうー!大好きー!」
わたしは笑顔で涙を拭うように見せて叫んだ。
バレンシャンの熱量が嬉しかった。
✳︎
中盤までやってきて、わたしたちも交互にパフォーマンスをし、休憩組と演出組に分かれる。
わたしは最初のチームだった。
5人でのユニット曲を披露する。
この曲のテーマは「友情」。
LUMINAのメンバーとの友情で感じたことを曲にしたものだ。
ダンスは手を繋いだり、みんなで座って踊る振り付けがあったり、パフォーマンスをするわたしたち自身にとっても楽しい一曲だった。
2番目の歌が始まろうというタイミングで
突然、耳をつんざくような破裂音が響いた。




