表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界の王女は、恋をしてはいけない人に恋をしたーアイドルを夢見るわたしですが、世の中は厳しすぎますー  作者: りなる あい
第13章 〜最高学年 アイドル2年目〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/121

13-6. それぞれの想いが回る場所で

休む暇もなく、次々とアトラクションを制覇していった私たちは、ようやく休憩タイムに入った。

私はイルサと一緒に、お手洗いに向かう。


5つのアトラクションに乗ったから、ペアを組んだのは男子の半分。

次は誰とペアになるんだろう、とぼんやり考えていた時だった。

二人きりになったイルサが、少し照れながら口を開いた。


「わたし、騎士団のキーンさんがドタイプすぎて…」


「そうなの!いいね!イルサはキーンさんが気になるんだね」


「話をふってくれたり、目を見て話しを聞いてくれたり、もう好きになっちゃうよ」


「うんうん。ドタイプな人がそうだと、好きになっちゃうよね!」


私たちはキャッキャと恋バナで盛り上がりながら、お手洗いから戻った。

イルサの話を聞いたからには、全力で応援したい。

そんな気持ちがふくらむ。


お昼ごはんは20人では大人数すぎるため、10人ずつテーブルをくっつけて座ることに。

イルサがキーンさんと別のグループになりそうだったので、私はさりげなく彼女と席を代わった。


(はぁ〜、恋を応援するのって楽しい!)


内心でニヤニヤしながら、ご飯を食べ終えた。

次に乗るアトラクションは、食後を考慮して優しめのもの。

「メリーゴーランド」と呼ばれる、可愛い馬に乗ってくるくる回る乗り物だ。


私のペアは、なんとキーンさん。イルサが気になってる人だ…!

キーンさんはダンディーで、アイドル事務所ではなかなか見ないような大人の魅力があるタイプだった。

イルサが好みそう…そう思っていたら、話題は思わぬ方向へ。


「一度、訓練中に魔法が当たってアドリアンのズボンが消えて、下着だけになったことがあってさ。でも、アドリアンは全く動じることなく対処したんだよ」

「俺は、あの姿を見た時、こいつは絶対、騎士団団長になるって確信したよ」


そんな話をしてくれた。

想像してしまって、私は笑いのツボに完全に入ってしまった。

私の笑いにつられて、キーンさんも笑い出して、待ち時間はあっという間に過ぎていった。


でも――私は気づいていなかった。

イルサが、少し悲しそうな表情をしていたことに。




次のペアは、お兄様だった。10人全員と組むので、いつかは来ると思っていたけれど…。


「お兄様、遊園地楽しんでますか?」


「ああ。こんなにはしゃいだ気持ちになったのは久しぶりだ」


太陽に照らされたお兄様が、髪をかき上げる。

赤い瞳が細められても、その輝きは変わらない。

お兄様って、こういう自然な仕草をするから、モテるんだろうな……。


妹としては複雑だけど、お兄様のかっこよさは私が一番よく知っている。

妹溺愛系じゃなければ、もっとモテすぎて大変なことになってたと思う。


「そういえば、今日の髪型、似合ってるな。ピンク髪のネネも新鮮でいいな」


「ありがとう。お兄様の今日の私服も、爽やかで素敵ですね」


「ネネに褒めてもらえると嬉しいよ。ありがとう」


ふとお兄様が目を落とし、


「お守り、今日も付けてるんだな」


と、私の靴についているお守りに気づいた。


「毎日つけてるよ」


私はそう言って、遠くを見つめた。

ずっとずっとその先にあるバレンシャンに想いを馳せながら。


「ネネはモテるけど、とっても一途だよな」


「ん?モテる?そうかな…わかんない」


「あいつはネネから離れて、さぞ不安だろうな。俺は、あいつを“紳士な男”として認定したから…応援したいとは…思っているんだが…」


お兄様の言葉に驚いた。

お兄様が、私とハオの恋を応援してくれてるの…?


ふと、クスッと笑ってしまった。

あの“紳士認定”の場面を思い出して――


お兄様の気持ちが、嬉しくて。

私の心は、ふわっと温かくなった。


「お兄様、ありがとう。今日、遊園地にお兄様と来ることに正直戸惑ったけど…でも、一緒に来られてよかったよ」


私の言葉に、お兄様は一瞬動きを止めて、


「ネネは本当に可愛いな」


と、そっと頭を撫でてくれた。


「アドリアンは相変わらず溺愛だな〜」


と、騎士団のメンバーにからかわれていたけれど、私もお兄様も、顔を見合わせて笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ