13-3. エネルギーのつながり、魂のやさしさ
はい、じゃあ向かい合って立とうか」
わたしとヒヨナは向かい合って立ち、手をつないだ。
ハオにエネルギーワークをしてもらったときと同じだ。
まずは、胸の奥にある温かな光にそっと意識を向ける。
呼吸に合わせて、その光がやわらかく躍動し始める。
全身に広がるキラキラした粒子が、静かに、まるで引き寄せられるように丹田へと集まっていく――そんな感覚だった。
ハオとエネルギーワークをしたときは、受け取ることばかりだった。
ハオがエネルギーを集めて私に送っていたのだとわかり、嬉しい気持ちになる…
「ネネ、大丈夫?集中してる?」
わたしの顔がゆるんでいたらしい…
恥ずかしい…
「はい、集中します。」
いけない、いけない、集中だ。
次は自分の呼吸に合わせてエネルギーを流し、受け取っていく。
息を吸うときは相手のエネルギーを受け取り体内に循環させていく、吐くときは自分のエネルギーを送り込む。
ヒヨナのエネルギーは優しくて、あたたかくて、とても心地よかった。
ヒヨナのエネルギーがどんどん私の中に満たされていく。
わたしがエネルギーを送るときは虹色の光線が手から流れていくことをイメージした。
「さあ、エネルギー循環ができたころだから、そろそろおしまいにするよ。自分のタイミングで3,2,1,でゆっくり目を開けて戻ってきて」
目を開けてヒヨナを見ると、目がキラキラしていて、エネルギーに満ち溢れている感じがした。
わたしも自分のエネルギー値が上がっていて、体が軽くなっていた。
「エネルギーワーク、やってみてどうだった?」
「ネネのエネルギーが心地よくて、とても気持ち良かったです」
ヒヨナの感想に、わたしも同感する。
「わたしも、ヒヨナのエネルギーが優しくて、あたたかくて、とっても心地よかった。」
「一回目のエネルギーワーク、成功したみたいだな。」
「ヒヨナ、ありがとう。ヒヨナがいてくれたから、ここまで来れたんだって思う。」
「ネネだって、すごく頑張ってるじゃない。最初の頃より、ずっと表情が柔らかくなったと思うよ。」
お互いを認め合うような笑顔が、自然と浮かんだ。
わたしたちのやり取りを見て、先輩二人も笑顔を向けている。
「エネルギーワークはヒーリング効果はもちろんだが、精神的にもいいんだ。治癒魔法では直せない心の安定にもつながる。」
「二人の結びつきも強くなるから、毎日エネルギーワークの練習をしたらいいよ」
「あの…一つ質問良いですか?」
わたしの心の中でずっと抱いていた疑問があった。
「このエネルギーワークは、通常はパートナー同士がするものですが、パートナー以外の人としても良いことなのでしょうか?」
「実は、エネルギーワークをしている時というのは、自分のエネルギーの核を開きあってする、つまり、自分の「最も繊細で弱い部分」をさらけ出している状態なんだ。番以外の人とするのは、かなり覚悟がいることだよ。」
雨が降っていた夜のことを思い出す。
わたしの魔力は限界で、心もすり減っていた。
そんなとき、ハオは――
『番じゃないネネにするのは少し気が引けるけど…でも、今のネネを見てたら、他の方法なんて考えられなかった。これが1番、ネネのためになると思うから…』
ハオがわたしのためにしてくれていたことが、今となってわかり、その優しさに涙が出そうになった。
自分のパートナーが見つかったからこそ、その重みが感じられる。
「魂のつながりの“枝線”のようなものが一時的にできるとも言われてるみたいだよ。もちろん、メインのパートナーとは違うつながりでね。」
番について知る程、お父様とお母様は運命だったんだって思った。
互いに思い合う番って…羨ましいなと思った。
わたしもハオとの運命を信じたい。
また、ハオと運命が交わったらいいな…
わたしの想いが、そっと夜風に乗って、彼のもとへ届きますように――
そんな願いを込めて、星空を見上げた。




