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魔法世界の王女は、恋をしてはいけない人に恋をしたーアイドルを夢見るわたしですが、世の中は厳しすぎますー  作者: りなる あい
第二章 ~2年生 青春祭~

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2-5. 一振りで、全部持っていかれた

ステージから降りると、私たちは互いに抱き合って涙を流した。

みんながいてくれたからこそ、ここまで来れた。

感謝が溢れて、「ありがとう」「ありがとう」と想いを伝え合う。


このメンバーが大好きだ。

みんな愛してる。


感動を分かち合ったあと、私たちは観客席に戻ってきた。

もうすぐハオたちのパフォーマンスがある。

バレンシャン王国の伝統舞踊に注目した。


会場が暗くなり、古風な音楽が響き渡る。

和を感じさせる楽器で奏でられた曲だった。


ハオたちの衣装は袖が長くて下に垂れていて、前は右左と服が重なっているデザインだった。

男性だけど、まるでワンピースのようなデザインだった。

腰にはベルトのようなものを巻いていて、そこに刀を差している。


ハオが刀を抜く瞬間、空気が張り詰めた。

曲に合わせて刀が円を描くたび、しなやかさと鋭さが混ざり合う。

その一振り一振りが、まるで感情を語っているようだった。


わぁーと歓声が上がっている。

踊っているときに、装束の裾が舞い、ふくらはぎが一瞬見えた。


どきっとして、すぐに目を逸らしたけど……心は逸らせなかった。


「なにこの色気、ずるい……」


こういう場面では、観客から黄色い声援が上がっているような…?


10人のうち、5人が剣を預けた。

二刀流での剣捌き、一体どうなってるんだろう?

剣同士がぶつかることなく、美しく弧を描いていく。

剣とは違う刀のら美しさに観客も反応する。


剣を持たない5人はアクロバットを繰り出していく。

下着が見えそうで見えない。

多分、下着が見えない衣装なのだろうけれど…

ちょっとハラハラしてしまう。

こちらも、黄色い声援が絶えない。


ハオはアクロバットをしていた。

魔法なしでこの身体能力の高さ…

もう、惚れるしかない…

チラリズムもセクシーすぎる…

いや、ダメダメ、これは舞台の演出、そう思いたいのにー

ー心が勝手に騒いでる。


バレンシャン王国の人たちは魔法を使っていないんだな、ということがパフォーマンスから分かる。

みんなで揃えるまでたくさん練習したことが伝わってきた。

このまま魔法なしで終わるのかと思ったら、次は転移魔法でステージ上から急に全員消えた。

そして、気づくと観客の頭上に転移していた。

転移魔法からの宙に浮く魔法は難易度が高く、上級だ。

それを10人全員やってのけることから、彼らの魔法技術がかなり高いことがわかった。

バレンシャン王国の伝統、力強さ、身体能力の高さ、魔法技術、全てを表現するステージだった。


ステージは遠いが、魔法スクリーンのおかげでよく見えるようになっている。


魔法スクリーンに映った、汗に濡れたハオの横顔。

息を乱しながら、それでも踊りきる姿に——心臓が、跳ねた。

あぁ、真剣な人って、こんなに…かっこいいんだ。

ドキドキが止まらないステージをわたしも思いっきり声を出して応援した。


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