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からっぽ  作者: てりやき
ゆうか
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サイコパスについて。8月5日(月)

 母さんとか拓実とかを殺したのは、確認みたいなもんだった。

 自分が本当に、サイコパスかどうかの、確認。

 拓実のことは好きじゃなかった、って前に言ったけど、やっぱあれ嘘。めっちゃ好きだった。

 本当に好きだったから、殺したら悲しめるんじゃないかなって。そしたら、まだ「サイコパスじゃない」って言い訳できると思った。

 ダメだったね。


 こういう生き方してたら色々不便だろうから、普通に生きれるようにもなっといた。実際、中一の時はずっと普通の優等生だったし。

 これが普通の人の生き方だと思ってたんだけどな。

 ヒロトっていうおもちゃが手に入ってから、つい我慢できなくなっちゃったんだろうね。

 人の不幸を笑う快感を。

 あいつが普通になれなくて、苦しんで、自殺してもらうってシナリオだったんだけど、そっちもダメだった。なんか最終的につまんなくなっちゃったし。


 障がい者ってのは、基本的に、生活に支障が出てなければ障がい者じゃないらしい。特に精神系のやつは。だから、手帳とかは障がい者全員じゃなくて、必要な人しか持ってないっていうのはそういうこと。

 生きるうえで、それが障害になるなら、障がい者って扱い。だから前までは「障害者」って呼んでたらしい。オレは昔の呼び方のほうが好きかな。

 桜も最近はだいぶパニクることも少なくなった。あと一年ぐらいしたらもう普通の人になるのかな。

 大翔は結局、何だったんだろうな。シゾイドかな? 感情薄いし。

 でも、自分でその障害をうまくやりくりできてるから、あんまり障がい者っぽくはなかったのか。ただの感情がないロボットみたいな人間だった。まあ、笑いについて定義したり、自殺しようとしたり、滑稽だったけどね。

 ただ、興味持ったのが科学だったのがよかったね。オレみたいになる可能性もあったわけだし。

 そりゃあ、あっちが主人公なわけだ。

 二人とも、もう障がい者じゃないんだもん。実質。

 ずるいなぁ。

 あーあ、ずるい。

 あっちはただ探求しているだけで褒められて、こっちは探求しようとしただけで叩かれる。

 どっちもただ、「好奇心」に身を任せてるだけなのに。




 え、なんでこれで終わりみたいな感じで書いてるかって?

 あー、まだ書いてなかったかも。

 オレ、自首するんだ。

 生きるのがこれ以上めんどくさかったから、死のうと思ってたんだけど、大翔が泣いてたのを見て、やっぱもうちょっと生きてみようかなって。

 人って変わろうとすれば変われるんだって、証明してくれたから。オレも少年院行ったら、生まれ変われるかもしれねーって思ったんだー。

 ただ、それだけ。

 実際、大翔が感情を客観的に理解してたからね。自分が出せないだけで、オレも同じように罪悪感を理解できるようになれば、本当の意味で普通に生きれるようになるかも。

 あんまり、強い動機じゃなくて、自分でびっくりしてる笑。

 けど、人が人として生き続けるには充分な希望なのかもね。




 短い間だったけど、楽しい中学校生活だったな。

 ……少年院、いいところだといいな。

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