横山結について。7月18日(土)
特別学級の教室には、オレも合わせて全員で4人いる。
オレ、桜、大翔、そして、結。
本当は5人だったんだが、4人になっちまった。
まあ、それは置いといて……
今日は、結との出会いを書いていこうと思います。
小学校5年生のときに、初めて特別学級の教室に入った。
6個机が並んでたけど、3人しかいなくて、びっくりしたのを覚えてる。
結は、その中で、たった一人の女の子だった。
先生が「女の子どうしでなかよくしてね〜」って言ったから、なかよくしようと思ったのに、結は最初は多分、なかよくするつもりがなかったっぽい。多分ね。
だって、最初の一週間は、おとなしい、とか、そういうレベルじゃなくて、もう、しゃべってるところをみたことがなかったんだもん。まじか、って思った。
でも、彼女は足が悪かった(というか片足無い)から、オレは毎回階段を降りるのを手伝ってたんよ。そしたら結がある日の学校終わり、
「哀れんでんの?」
って言ってきたんよ。
オレは言ってる意味がわからんくて、おどり場で「?」って顔して固まっちまったんよ。そしたら結が泣き出しそうな顔で、
「ほんとはかわいそうだとか思ってんでしょ!?」
とか言ってきて、いよいよオレは、何言ってんだこいつ、って思った。
だから、オレはでっけえため息といっしょに、こう言ってやった。
「かわいそうっては思うだろ、ふつー。ってか、そもそも下に見てたりしたら、こうやって手助けしねーよ」
我ながら、ほんとに小学生か?ってぐらい、かっこいいこと言ってた気がする。
それからオレは、階段を一段おりて、結に「おんぶしてやる」って言った。結はなんも言わずに、背中に乗ってくれた。
くつばこで結をおろして、
「じゃあ明日」
って言って、手をふってわかれた。
こんとき、背中がびちゃびちゃになってたけど、逆にひんやりして気持ちよくなってたんだっけ。
……なんか字面だけ見たら、ただのヘンタイだな。
まあ、ともかく、オレらはその日、感動的な別れをしたってこと。
その次の日、結はごめんと謝ってきた。
話を聞くと、小学校入った時からクラスが変わるまで、二年間ずーっといじめられたらしい。
言うまでもねえけど、足のことで、「のろま」「かめ」「人外」「エイリアン」「かかし」などなど、とにかく言われまくったらしい。
それだけだったらぜんぜんいいんだけど、ある時、義足を無理矢理取られて、遊ばされたんだって。
「取り返してみろ、って言われたから、私は机を使ってなんとかがんばって取り返そうと近づいたの。でも、義足をとったやつの友達が、私のつかまってた机をずらして、それで私はコケて、みんな笑って……」
思い返すだけで、結は泣いてしまった。聞いていたこっちまで、胸が苦しくなるような話だった。
「でも……これで終わりじゃなかったの……」
結は泣くのをやめたいのに、話をつづけたいのに、それができないほど泣いていた。
オレは、細かくふるえる小さいからだを見て、ああ、オレら障がい者ってこんなに生きるのが大変なんだな、って思ったのをよく覚えてる。
結はなんとか泣きやんで、話をつづけた。
まとめると、一生の友達だと思ってた子にいじめられたっていう話をしたら、あんまりキョーミ無い感じで「そーなんだ。かわいそう」って言われたらしい。
今だから分かるけど、結はいわゆる「人間不信」になっちゃってたんだろう。
これが「かわいそう」でなくて、なんなんだ。
こんなに救いのない子どもがいていいのかよ!
この話を聞いて、当時のオレは、立ち上がって、そいつのことを一発なぐりに行きたくなった。
6秒数えて、深呼吸して、かわりにカベを軽くなぐった。結はこのときびっくりして、「ひっ」って声上げてたっけ。
まあ、こうして、オレと結はなかよくなった、ってわけ。
結は、足が不自由だってこと以外、ふつーの女の子だ。
シュミは読書。好きな教科は国語。苦手な教科は数学。好きな動物はハムスター。
そして、結の性格は、ひたすらやさしい。
それは、いじめられて、裏切られた過去があるからじゃなくて、多分、元々結がおもいやりの心を持ってたからだと、少なくともオレは思う。
歩く練習は、毎日コツコツやってるらしい。おかげで、今は階段を一人でスイスイ上り下りできるようになったのだとか。
そのうち結は、障がい者でありながら、正常な人にどんどんと近づいていくんだ。
なんだかそう考えたら、さびしい気がしてきた。
今日はいっぱい書いた! 1700文字ぐらい?
明日は日曜だから、がんばって連チャンするぞ〜。
ちょうど休みで、書く時間いっぱいあるから、今のうちに書いて貯めておこう……
予約投稿を、3日間隔で……
ちなみに、次は桜のこと書くつもりです。
それでは、おやすみなさい〜




