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からっぽ  作者: てりやき
普通
51/95

「熟考はより賢明なり」(エウリピデス)

 考えている。

「人間って、大変なんだな」

「何言ってるの? ヒロトくん」

 彼女は、理解出来る日本語を、「何言ってるの(か分からない)?」と言う。

 不思議だ。

 理解を放棄しているからだろうか?

 俺以外は人間じゃないのだろうか?

「急に変なこと言わないでよー」

 彼女はそう言って、ひとりでに笑う。

 笑うということは俺のことを蔑むためだったのだろうか?

 それとも考えを理解出来ない自分を嘲笑ったのだろうか?

「はー、まったく。ヒロトくんは面白いな」

 彼女はそう言って、それ以上話を進めなかった。

 人間は、面白いと思った物に対して興味を示す生物なんじゃないか?

 彼女は人間じゃないのか? はたまた、彼女は嘘をついているのか?

 考えている。

 考えている。

 考えている。

 分からなくなる。

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