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秘匿研究所秘匿計画

サターン地下最下層秘匿研究所では……


長い金髪の髪、女性のように色白で美しい顔立ちの青年が裸で円柱型水槽に沈められていた。


「ごぼぼぼぼっ!!」


手足は枷によって拘束されており、苦しそうに溺れている。


水槽の前には、白衣姿の研究員二人がモニターを見詰めながら、溺れている青年の様子を見ていた。


「クオン様のバイタル低下を確認、これより電気ショックを通常より三倍にして与えます」


女性研究員が言うと、スイッチを押した。


「ぐががっ!!がぽぽぽっ!!……がはあっ!!」


水槽の中で電気ショックを、与えられ、青年は苦しむと身体を大きく痙攣させ、やがて動かなくなった。


「クオン様の5回目の死亡確認しました。今から蘇生までの時間をカウントします。一分経過、二分経過……」


男性研究員がカウントして行く。


「がぽっ……!!」


青年の見開かれた瞳に力が戻り、止まっていた心臓も再び動き出す。


「クオン様、5分で蘇生しました」


淡々と男性研究員が言うと、手元にあるリモコンのスイッチを押して水槽の部分だけ下に下がる。


青年と共に、水槽の水が流れ出して研究室を満たす。


青年は手足の枷を自らの力のみで粉々に壊すと、背に黒い翼を出現させ空中に浮かび、ゆっくりと研究室に着地した。


「……メンテナンスとは言え、何度も殺されて蘇生確認されるのは不愉快ですね」


呆れたように青年は言うと、背の翼を消して溜め息をつく。


「我慢してください。人工異種族化計画は完成したとは言え、まだまだ不備がある可能性もあるので、定期的なメンテナンスは欠かせないのです」


「……そうですね……はぁ、またメンテナンスされるのかと思うと気が重くなります」


女性研究員に言われ、青年は溜め息をつくと、男性研究員から白衣を受け取り羽織る。


「まだあくまでも全宇宙の常識では机上の理論でしか有りませんが、人間の限界を超えて生み出した3つのシステム、それを元に製造した機体、そして未だかつて人類が至ってない意志あるアンデッドと、空想に存在した異種族を元に掛け合わせた生きる意志ある不死の人工異種族化計画……これさえ実現出来た今こそ、世界や宇宙を手に入れることも夢じゃありません!!」


紫色の髪、ビン底眼鏡を掛け、肩まで伸ばした髪を三つ編みにした女性は拳を握り、興奮した様子で熱く語る。


リュージュ・ブラッド・サタン(20)。リュドシエルの妹でサタン商会秘匿計画に参加する女性研究員。


「あはは……リュージュさんは本当に会長そっくりですね」


「……嬉しくありません」


苦笑して青年が言うと、リュージュは眉を潜めた。


「私は今の兄が嫌いです。クオン様や他の皆さんを侍らして、取っ替え引っ替え性欲に溺れている変態になっているので……正直に言うと、未だに日中イチャコラしていてウザいしムカついてます」


リュージュは怒りを露にしながら下に俯いた。


……あぁ、やっぱり会長はリュージュさんに嫌われていますね?まぁ……私も同感です。会長が本命を一人に決めない理由も分かりますが……。


思わず青年は内心思って苦笑する。


「でも……義姉さんや姪を失って……廃人の様に生きる気力を失くした5年前よりはマシだと思ってます」


「……リュージュさん……」


リュージュの言葉を聞いて、青年は嬉しそうに微笑む。

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― 新着の感想 ―
[良い点] (;゜Д゜)?! と思ったら……そうゆうことか ε-(´∀`*)ホッ ぺっくらしました( ̄∇ ̄;) [気になる点] あ、いやべっくらこくことだよこれ なんじゃそれ! びっくりですよ……
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