不穏な情報
モニターに映し出された一人の男を管理室から見詰める二人の男達が居た。
「セラが遂に尻尾を出したか?ふむふむ……これは中々……僕達がわざと流した情報を詳しく仲間に報告しているとはな。くくく……せめて仮にも軍人なら少しは疑って掛かるべきだと思うのだがね?」
足を組み、長い紫色の髪の男は涙を流して楽しそうに腹を抱えて笑う。
「あの暗号識別コードは宇宙連邦軍の物です。恐らくセラがスパイと見て間違いないでしょう。最近、第三宙域で別動隊の駆逐艦を見たと、スペースデブリに擬態しているオフィーリアのソアルから報告がありました」
男の背後に控える男が電子デバイスを起動すると、目の前のモニターとリンクさせ、オフィーリア艦内から見た別動隊の駆逐艦の映像を映し出した。
「ほぉ?こいつは驚いたな。宇宙連邦軍の中でも虎の子と言われているトマルフ部隊じゃないか。……だが、僕等を甘く見ていた様だねぇ。全部動きが丸見えだよ。クオン、連中は次にどう出ると思う?」
男は頬杖をついて後ろの男に問い掛けた。
「……私なら……情報を確認するために部隊を少人数にしてこのハムレットに送り込みます。真実だと確認が済み次第、サタン商会を皆殺しにして制圧するかと……」
後ろの男は少し考えた後に答えた。
「そりゃ面白そうだな。ならば乗り込んで来た連中を利用してネズミ一味を仕留めるとしようか。何事も一気に叩けば埃も出ると言うだろう?」
まるで新しい玩具を見付けた子供のように、笑って男は後ろの男に聞く。
「承知致しました。早速商会メンバーと全艦に報告して知らせます」
表情一つ変えること無く、後ろの男は答えると、電子デバイスを通して一斉に報告する。
数分経たず、全員から了解と返信が来た。
「さてさて……ネズミ君、精々僕の前で踊ってくれよ?」
モニターに映る男を見詰め、男は怪しく笑みを浮かべ呟くのだった。