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てめぇだけは許さねぇ……

「って言うと、何か?てめえらが姉ちゃんとルーチェ、マジェスタの研究所の仲間達を殺した実行犯って事か?」


「っ!?」


背後から声が聞こえ、スッカ達が振り返ると、射殺した筈の少年二人が立ち上がっていた。


「会長から聞いたんだよ。姉ちゃんの最期。なんて言ってたかもな……」


金髪のメッシュ入れた赤髪の少年は、ポケットから注射器を取り出すと、自分の首に射した。


みるみる内に、姿が子供の身体から大人の身体に変わる。


モミジ・トウダ(25)マキナの一卵性の双子の弟で、リュドシエルの義弟。


「子供だったら警戒しないとは思ったけど、いや~簡単に引っ掛かってくれて助かったよ」


橙色の髪の少年、ジェイクも自分の首に注射器を射すと、同じように姿が少年から大人の姿へと変わった。


ジェイク・ムーヴ(25)サタン商会のメカニックでモミジの相棒。


「ひぃっ!?化け物っ!?」


「うわああっ!!」


スッカの部下達が取り乱す。


「……馬鹿な……計画は……確かにマジェスタ諸とも消した筈なのに……成功して実現していたのか!?」


スッカは青ざめた顔で叫ぶ。


「てめぇに答えるつもりはねぇよ。……てめえだけは許さねぇ。疑似魔法身体強化発動……」


モミジは身体全体に強化魔法を掛けると、身体が赤い魔力に覆われ拳を構える。


そのままモミジがスッカの目の前で、拳を数発振りかざした瞬間、周囲に居たスッカの部下達が肉塊になり壁にめり込む。


「……へっ?ひぃぎゃああっ!?」


頬に付いた血に気付き、スッカは後ろを見て部下の死体の惨状に腰を抜かして座り込む。


「……あとはてめえだけだな?」


両手の拳を鳴らしながら、モミジはスッカを見て目を細める。


「許してくれ!!これは上層部からの命令だったんだ!!おっ俺達は所属するトマルフ隊の命令に従うしかなかった!!五年前の民間人虐殺もマジェスタコロニー破壊も全て指示したのは上層部だよ!!軍人である俺達は命令に従っただけで悪くない!!」


みっともなく、取り乱してスッカはモミジに叫ぶ。


「……上層部ねぇ……」


ジェイクは目を細め腕を組む。


『宇宙連邦軍の主権を握っているのはジャスティス帝国だな?宇宙連邦軍の代表として台頭している帝国なだけあって、主要宇宙コロニー五ヶ国の議会議長も務めている。……だが、妙な話だぞ?十数年前皇后の嫡男、嫡女が継承権を放棄し、今は側室腹の第二皇子が皇帝となっている筈。……何故僕のコロニーを攻撃させたのか理解に苦しむのだがね?』


スッカの目の前に、巨大モニターが映し出されリュドシエルが映った。


「おっお前は!?サタン商会の!?」


思わずスッカは叫ぶ。


『君からはこれ以上欲しい情報は手に入らないだろう。モミジ、始末してくれ』


「了解」


リュドシエルに命じられ、モミジは拳を振りかざす。


「まっ待て!!じょっ情報が欲しければもっと話す!!だから命だけは……」


スッカは涙目になって命乞いするが……


『君も軍人なら無様な命乞いなど辞めたまえ。私の妻も娘も、研究仲間も君達によって命を奪われたんだ。実行犯である君が死ぬ理由も我々からすれば妥当だと思うがね?まぁ、呪うなら君達に命じた上層部を恨めば良い』


冷たくリュドシエルは言い捨てる。


「ひい!?やめっ……ぎゃはあああっ!!」


モミジの拳に頭を叩き潰されスッカは絶命した。


壁一面にスッカの血が飛び散り、浴びた返り血をモミジは脱いだ白衣で拭き取る。


『ふむ、心当たりはあるが……あまりにも虫酸が走るよ。トマルフ諸とも沈めたら……真っ先にジャスティス帝国がある狂王コロニーへ向かうとしようか。地下のネズミ共を消したら地上へディーヴァも出す。ジェイクとモミジも各機へ搭乗してくれ』


「「了解」」


ジェイクとモミジが答えると、リュドシエルは通信を切った。


「さてと……ネズミが来たようだな」


切り替えたリュドシエルは、ローザとクオンと共に散開する。





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― 新着の感想 ―
[良い点] うお(;゜Д゜)っ こ、これは カコイイ! [気になる点] いやいやいやいや 言うんですよねぇ。 上から命令されて仕方なくっっっっ 言うんだよなあ……ケッ そんな言い訳通じるか…
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