動き出す悪魔商会
「身体の欠損部位再生確認、ジュリエットクルー全員の蘇生も確認した。……さっきの連中、マジェスタの事も言ってたな……。会長に報告するか……」
白銀の長い髪を一つに結わえ、作業服を着た青年は右耳の通信ピアスを起動する。
ヒイラギ・プラド(23)。サタン商会会長付き第四秘書。
リュドシエルがロッカーで黒い軍服に着替えていると、ヒイラギから通信が入る。
『会長、カオスの連中……どうやらマジェスタの事について何か知っている様ですよ。ハムレットもマジェスタと同じように壊すと言ってました』
ヒイラギから聞いて、リュドシエルの瞳に剣呑差が宿る。
「……ほう?それは何としても一人くらいは生かして聞き出したいね」
不敵に笑ってリュドシエルは前髪を掻き上げた。
『生かせるか善処はしますが……最悪の場合、ウルフズの尋問ですね。特殊工作部隊ですからウルフズも何らかの情報を持って居る筈だと思います。カオスの別動隊連中はそっちに向かいましたよ、俺達はジュリエットで援護します』
「あぁ、頼むが任せたよ」
そこでリュドシエルは通信を切ると、ロッカールームから廊下へ出た。
廊下には同じ黒い軍服を着たクオンやローザ達が居る。
「予定通り、白衣を着たジェイク達を囮に残し、僕達は地下でネズミ共を待ち構える。皆、気を引き締めて掛かってくれ。これはマジェスタで死んだ仲間達の弔い戦でもあるのだからね」
「「はっ!!」」
リュドシエルの命令にクオンやローザ達は敬礼して返事をした。。
「……では……皆の健闘を祈っている。ネズミ狩りを楽しむとしよう」
リュドシエルが笑って踵を翻すと、クオンとローザもリュドシエルの後に続く。