ガゴイの強襲、迫る研究所の危機
スッカとワッカが率いる別動隊が合流地点である北7番港に着くと、既にガゴイ6機が制圧していた。
あちらこちらに破壊された建物やゲートの残骸、殺された職員や係員の死体が転がって居る。
「派手に暴れやがって……あいつらめ」
スッカは呆れた顔をするとガゴイに近付く。
『『『『『『スッカ隊長!!』』』』』』
スッカの姿を見て、ガゴイのコックピットから声が聞こえる。
「ハムレットも、5年前のマジェスタと同じように破壊する。壊す前に俺達別動隊がサタン商会の研究所を強襲して有用なデータやシステムを奪取してくる。ガゴイのお前らは俺達が閃光弾を投げて合図するからその時にハムレットを破壊しろ」
『『『『『『了解!!』』』』』』
スッカに命じられ、ガゴイのパイロット達は返事をした。
「行くぞ、ワッカ。セラの反応が消えたポイントが恐らくサタン商会の研究所だ」
「うっす!!しっかし兄貴、何でセラの反応が消えたんだ?」
「さあな、どうせセラの奴が墓穴掘って死んだんだろうよ」
スッカはワッカに答えると、別動隊を率いてその場から去っていくのだった。
『あれ?』
ガゴイのパイロットの一人は、頭部カメラをチェックしていて声を上げる。
『どうした?』
『いや、さっきまであった死体が消えていてさ……』
仲間に聞かれ、言葉を歯切れ悪くして答えた。
『は?そんな訳無いだろ。どうせゲート破壊したんだし風とか爆風で飛ばされたんだろうよ』
『そう……だよな?あはは……』
仲間に言われて苦笑して納得する。
……だが、彼等は知らなかった。
少し離れた建物の物陰に血塗れの職員や係員が居る事に……。