第九話 伊達&富澤コンビ
野沢玉磨は、草壁の机に置かれたイヤホンが巻かれた状態の無線機を眺めながら一週間ほど前の事を思い出していた。
【回想】
草壁「ねぇタマちゃん、ちょっと屋上に行かない?」
野沢「え、なんですか?別に行く用事ないですけど(笑)」
草壁「まぁ、そんなこと言わないでよ♪ね?」
野沢「良いですよ、ちょっと言ってみただけですから」
二人は屋上へ上がると、草壁は野沢に缶コーヒーを渡し、自分は無煙タバコで一服しだした。
草壁「今、ココでしか吸えないからさ。ゴメンね(笑)」
野沢「で、私に何か話があるんですよね?」
草壁「うん。最近、タマちゃんが俺たち外回りの仕事にも興味を持ってるのはわかるんだけどね?それはまだ良いとして、あまり深くは入り込まないようにしてほしくてさ(笑)」
野沢「はい、そのつもりですけど?」
草壁「そっか♪なら良かった。まぁ、それだけ」
野沢「じゃあ、次は私の番ですね。草壁さんてほんとは何者なんですか?」
草壁「え?だから公務員だってば(笑)」
野沢「過去のファイルも全て見せてもらいましたけど、私が見せてもらえたのは肝心な所が黒塗りされてましたから」
草壁「あら、そうなの?じゃあ、誰かが塗りつぶしちゃったんだろうね(笑)ただね、タマちゃん?いつも守れるわけじゃないからさ。これからは内勤のほうで頑張ってよ♪ね?」
【回想終わり】
【そして時は現在より数日前に遡る】
富澤「こちら富澤、伊達と現場に到着しました。これより草壁京介の捜索と救助に取りかかります。どうぞ」
伊達「富澤、中に入る前に清めるからさ。塩持ってる?」
富澤「あるよ、はい」
伊達「ありがとう。ってこれ、味塩じゃん?下味付けるんじゃないんだからさぁ」
富澤「(笑)ちょっと何言ってるかわかんないです」
そして。
伊達「こちら伊達、3階東側トイレ付近で大の字で倒れている草壁を発見。意識はある様子です、至急救護班を下に回しといてください。どうぞー」
富澤「おい草壁、しっかりしろ!」
草壁「あ〜、二人とも遅かったじゃないですか(笑)」
伊達「何言ってんだよ、お前。だから単独での任務は原則禁止されてるんだろうが。富澤、肩かしてやれ」
草壁「すみません。あれ、富澤さん内ポケットに何かいれてます?」
富澤「これ?味塩。ついでに清めとく?(笑)」
草壁「ゆで卵じゃないんだから(笑)」
伊達「(笑)」
【そして現在に戻る】
ドア(ガチャ)
野沢「草壁さん、もう動いても大丈夫なんですか!?」
草壁「あー、タマちゃん心配かけてごめんね。ほらこの通り、まだボロボロだけど(笑)」
犬山「もっとゆっくり治したら良いんだよ?」
草壁「課長、すみませんでした。ところで先輩たちは?」
犬山「伊達くんと富澤くんなら出張に行ってるよ」
草壁「そうですか、電話でお礼言っとかなきゃ。そうそう、タマちゃん?」
野沢「はい、なんでしょう?」
草壁「あの今回だけ、ちょっと手伝ってもらえないかな?」
野沢「、、、別に良いですけど。なんですか?」
草壁「ん〜、まぁリベンジ(笑)」
第九話(終)