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鬼切怪奇譚  作者: 藤崎要
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第十八話 二秒



荻田「遠藤、、、来てくれたのか?」


遠藤「荻田さん、、、」


荻田「そんな顔するなよぉ、まるで俺がもう助からないみたいじゃないか?(笑)」


 荻田と遠藤、そしてその傍らにもう一人、喪服姿の男が荻田に抱えられるようにして既に息を引き取った後の様でした。


荻田「コイツよぉ、小さい頃は父ちゃん父ちゃんって俺を何かのヒーローみたいに思ってくれててさ。まさか【烏】になっちまってたなんてよ」


遠藤「申し訳ありません」


荻田「お前が気にするんじゃないよ(笑)俺が躊躇した、そのたった2秒のせいで、みんながやられちまったんだからよ。おかげで草壁にはMVPを持ってかれちまうし(笑)アイツだけだよ、最初から最後までゴールしか見ずに飛び込めたのは」


遠藤「アイツは馬鹿なだけですから(笑)荻田さんもいつも言ってたじゃないですか、このバカ野郎って」


 荻田と遠藤の視線の先には、何かの箱にしがみついたまま気を失っている草壁の姿がありました。


荻田「烏は何羽か逃がしちまったけど、箱はギリギリの所でなんとか取り押さえたよ。こんな物騒なもんまで持ち出そうとしやがってさ、そこまで追い込まれてたって事なんだろうけど。奴らも以前のように一枚岩じゃ無くなっている、逃げた連中がいるのも時代の変化だろう。で、モノは相談なんだけど俺に最期くらい格好つけさせてくれないかな?アレの始末は俺にさせてくれよ。土産に持って帰るってわけにもいかないだろ?なぁ遠藤、頼むよ(笑)」


遠藤「、、、」


 遠藤は荻田を抱えると箱のそばまで連れて行き、代わりに草壁を箱から引き離すようにし抱えると荻田に一礼をして、その場を後にしました。


しばらくして、先ほどまで遠藤や荻田、草壁らの居た古びた建物は炎につつまれたのでした。


 この出来事により、鬼切衆8名と烏4羽の死亡が確認されました。


 第十八話(終)




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