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鬼切怪奇譚  作者: 藤崎要
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第十六話 染井吉乃 再び



草壁「ここだよ、タマちゃん」


野沢「居酒屋ですか?」


草壁「そう、お昼にランチやってて知ったんだけど。穴場というか、店主がちょっとクセがあってね(笑)」


犬山「あの、私も一緒におよばれしてよろしかったんですか?」


野沢「いえいえ、部署にもご迷惑をおかけしましたし。皆さんってわけにはいかないですけど。お詫びというか、お礼というか」


犬山「それなら気にしなくても大丈夫ですよ(笑)野沢さんが元気になって、皆喜んでますから♪」


野沢「本当は父もついて来るつもりだったんですけど、さすがにソレは断りました(笑)課長も来るからって言ったら渋々」


犬山「ええ、私も年頃の娘がいるので痛いほどわかりますよ」


草壁「課長の娘さんて、確かアラフォーの出戻りだったんじゃ、、、。ま、いいから中に入りますよ」


 ドア(ガラガラ)


店主「毎度〜♪今日はタコの良いのが入ってるよ」


草壁「じゃあそれ、刺し身と天ぷらでお願いします♪」


店主「かしこまり♪よかったら、お座敷のほう空いてるんでどうぞ♪」


野沢「店主は外国の方?目が青いのはともかく、わりと普通な感じですけどね」


 そして。


バイト「お待たせしました、枝豆です。あとコチラ、お通しのサワラの真子卵(マコラ)煮付けです」


草壁「良いね、美味しそう♪じゃあとりあえず飲み物、頼んどいて良いです?」


野沢「ノンアルカクテルのブギウギで、お願いします」


犬山「ビール、よろしいですか?」


草壁「じゃあ生2つとブギウギで」


バイト「はい、かしこまりました」


草壁「へぇ、夜はバイトの女の子もいるんだ。巫女さんの格好してたよ」


野沢「こういうのコンセプト居酒屋って言うんですよ。TikTokとかで踊ってたりして流行ってるんじゃないですか」


 そして。


犬山「タコ、美味しいですねぇ♪」


野沢「ほんと美味しい!」


草壁「腕も確かなんだよなぁ。ところでタマちゃん、例の品物だけど警察の方に引き渡したよ?遠藤さんて方に」


野沢「ええ、父から聞きました。もう二度とバカなことはするなとも」


草壁「タマちゃんのお父さんって偉い人なんだってね」


野沢「そこまでじゃないですけど」


犬山「いやいやいや」


草壁「どおりで娘【が】甘いわけだ(笑)」


 野沢 (イラ)


 その時、草壁のスマホに着信が。


草壁「、、、。」


野沢「どうぞ、おかまいなく?」


 草壁はその場でスマホの相手と会話した。


草壁「いや、あぁ別に。そう、うん。いや、気にしなくていいから(笑)じゃあ、お元気で」


犬山課長「元カノですか?(笑)」


草壁「何言ってるんですか(笑)あの、染井吉乃さんですよ。起訴猶予で済んだそうで」


野沢「なぜですか!?というかなんで草壁さんに連絡してきたんですか?」


草壁「さぁ、裁判に持っていけるだけのモノが無かったってことでしょ。逮捕も未遂ってカタチだったし」


犬山「それでなんと?」


草壁「おかげで呪いから解放されましたって。これからは普通に占いをやりますとさ」


野沢「下手に関わって彼氏面してたら痛い目にあいますよ?あの手の人はコリたりしませんからね(笑)」


 草壁 (イラ)


草壁「これだから小娘は(笑)タマちゃんね、俺は君も助けたと思うけど。誰が?とかどちらが?とかそういうくだらないことじゃなくて、目の前で大ケガしてる人がいたらとりあえずほっとくわけにもいかないってだけなの。別に知らないところで誰に何が起きてようが知ったこっちゃないけどもね。それにあざといのも口うるさいのも俺のタイプじゃないから」


野沢「はぁ、そうですか。では草壁さんのタイプを続けてどうぞ?(笑)」


草壁「その、夏目雅子さんみたいな。ね?課長」


犬山「わかりますとも。私は吉永小百合さん一筋ですけどね(笑)」


草壁「ほらタマちゃん、いちいちスマホで検索しなくていいからさ!」


野沢「へぇ、なるほど。確かにお綺麗ですね」


草壁「内面も含めてね?三蔵法師の役とか、もちろん知らないだろうけど息を呑むような美しさというか今の世の中にはいないタイプだよ」


犬山「時代も変わりましたからね(笑)」


野沢「絶滅危惧種ですね」


第十六話(終)

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