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鬼切怪奇譚  作者: 藤崎要
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第十一話 廃病院管理棟の怪(後編)



 帰路につく車内で


野沢「どういう事なんですか?草壁さん、説明してくださいよ」


草壁「んー、どこから話せば良いか。あの病院、保険の診療報酬水増しで理事長やらが総辞職したのニュースでもやってたでしょ?元事務長もその時一緒にね。それで今回の統廃合で老朽化していたコチラは廃院されることになったと」


野沢「で、今回の件とはどういう関係が?」


草壁「うん。水増しのどさくさに横領か、あるいは他の隠蔽事があるのか。俺たちは捜査機関じゃないからそこまではね。でも3階の病歴保管庫に何か隠してたのは間違いないだろう。それを秘密裏に処分するため今回の騒動を起こして工期を遅らせたり、人を遠ざけようとしたのかもね」


野沢「というか、なんでそんなことがわかるんですか?」


 草壁はポケットから何かを取り出し野沢に手渡した。


草壁「修正テープ。それをあちこちのドアの隙間に貼っておいて、擦れがあるかどうかを確認したの。それで人の仕業だってこともね」


野沢「それで、いると?」


草壁「うん、それと何処に何の目的があるかもね」


野沢「そこまでわかってたら警察に任せたら良かったじゃないですか」


草壁「病院てとこはね、本来病気を治しに行くとこだから安らかであるべきなんだよ。今回の騒ぎを起こしたことでソレが保たれなくなり良くないモノまで引き寄せかねなかったから。あと真相を解明しないとヤラレ損っていう個人的な理由(笑)」


野沢「それこそ、警察官のほうが向いてたんじゃないんですか?」


草壁「落ちたの(笑)」


野沢「あぁ、それなら仕方ないですね(笑)てか私、危うく巻き添えにされる所だったじゃないですか!」


草壁「だって俺が一人で行ったらそれはそれで警戒されるでしょ?それに女性と一緒なら手負いの俺よりタマちゃんのほうを先に狙うだろうと思ってたから、それで避けれたんだし(笑)」


野沢「私はオトリってことですか?」


草壁「ごめん、でも絶対守るつもりだったし。本当に助かった、ありがとう」


野沢「まぁ良いですけどね。で、【影】の説明がまだなんですけど?」


草壁「あー、アレ?俺たちのライトに後ろからソレより強い光源を重ねてその前に指で人の形を作るとね、後ろから影絵を作れるんだよ」


野沢「やったことないからよくわからないですけど。でもそんなことって狙って出来るようなものなんですか?」


草壁「実際怖がってたじゃない?(笑)人影が現れるのは決まって壁際、暗闇の中で懐中電灯を照らすのは普通足元でしょ?でも壁際になると光が当たるのは壁付近だけになるから位置もタイミングもソコに合わせれば良くなる」


野沢「はぁ〜」


草壁「林間学習の時やらなかった?そういうイタズラ(笑)」


野沢「やっぱりクソガキだったんですね、草壁さん」



第十一話(終)



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