感想サービスと一次選考の関連性
ネット小説大賞の大きな特徴の一つが、公式から感想をいただける感想サービス。これが楽しみで応募している、という方々も多いのではないでしょうか。
まだ私は今年一つも感想をいただいておらず、このまま0で終わってしまうかもしれませんが……。
初応募の第7回ネット小説大賞では運営様から感想をいただいて、その作品が一次選考にも通過しました。
感想サービスの感想は、とても上手く褒めてくださっており、それだけで「公式に評価された」という気持ちになります。ましてやその作品が一次通過したのだから「感想サービスで感想が書かれる作品は、運営側で評価した作品、つまり一次選考も通過する可能性の高い作品かもしれない」という気持ちが生まれました。
でも私個人の例だけでは、その相関関係について議論するにはサンプルが足りません。そこで翌年、第7回ネット小説大賞の一次選考通過リストと感想サービスの作品リストを見比べて、私以外の方々はどうなのか調べてみようと思ったことがあり、調べていく過程も含めて、エッセイ『「第8回ネット小説大賞」に関して思うこと』の中で結果を報告しました。
感想をいただいた作品の中で一次通過は19.7%、もらえなかった場合の一次通過は16.0%。私の期待では前者と後者に大きな差が出るはずだったのに、思ったほどではありませんでした。一応は差があるものの、果たして有意差と言えるかどうかわからない程度。
これでは「感想サービスで感想が書かれる作品は、一次選考通過の可能性も高い」とは言えない、と思いました。
実際に私自身、第8回ネット小説大賞では複数の作品で運営様から感想をいただいたにもかかわらず、それらの作品は一次通過しませんでした。また、第9回ネット小説大賞でも複数の作品で運営様から感想をいただき、それらは一次通過しませんでした。
だから私個人の体感としても、最初の想像は大間違い。そう思っていたのですが……。
昨日、ひとつ前のエッセイ記事を書いている際、今回の一次通過8作品のうち2作品が前回の感想サービスで感想をいただいていることに気づき、私の中で新たな仮説が生まれました。
「感想サービスで感想をいただくことは、一次通過の前兆になりえるのではないか?」
基本的には、以前に考えたのと同じように「感想サービスで感想が書かれる作品は、運営側で好意的に評価した作品だから」という理屈に基づいています。その上で、以前の考えと違うのは「その年の一次選考で通過するとは限らない。翌年以降の一次選考で通過する場合も含む」という点。つまり『前兆』です。
改めて、前回までの感想サービスで私が感想いただいた作品を挙げてみます。
まず第7回の感想は1作品のみ。『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』だけでしたが、この作品は第7回と第9回で一次通過しました。
第8回で感想をいただいたのは『月見ケーキ ――翻訳係が無能女神だった件――』『邪神城連続殺人 ――赤いチャイナドレスの妖魔――』『「俺はウイルスである」――転生したらウイルスだったというおはなし――』の3作品で、このうち『「俺はウイルスである」――転生したらウイルスだったというおはなし――』が第9回で一次通過。
第9回は感想が『花泥棒は密かに盗む』『俺はウイルスである・パート4「敵か? 味方か? 改造ウイルスあらわる!」』の2作品で、どちらも今回つまり第10回で一次通過。
まとめてみると、6作品のうち4作品ですね。
第7回の例である『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』が2回一次通過しているので紛らわしいですが、第7回の一次通過に着目すれば、4作品が「その年あるいは翌年」、第9回の方に着目すれば「翌年以降」で一次通過できることになります。
まあ「翌年以降」という捉え方であれば「感想とは無関係に、何度も応募していれば一度くらいは通過できる場合もあるだろう」と思われるかもしれません。でも一次通過は抽選ではないはずなので、何度応募しても通過できない作品もあるはず。ましてや「その年あるいは翌年」ならば、チャンスは2回しかありません。
いずれにせよ、一種の『前兆』ですね。感想サービスで感想をいただいておけば「その年あるいは翌年」か「翌年以降」で一次通過できる、というのであれば。
この『前兆』仮説。
6作品全てに適用されるならば、もっと自信を持って主張できるのですが、残念ながら現段階では「6作品のうち4作品」。それでも2/3ですから偶然とは思えず、とりあえず個人的な感覚としては「感想サービスで感想をいただくことは、一次通過の前兆になりえる!」と考えたくなりました。
残念ながら今年は運営様から感想をいただいた作品がないので、「その年あるいは翌年」説に照らし合わせても「この作品は来年のネット小説大賞の一次選考で期待できる」という作品はありません。
しかし「翌年以降」説の方ならば、感想をいただいたけれどまだ一次通過していない2作品、つまり『月見ケーキ ――翻訳係が無能女神だった件――』と『邪神城連続殺人 ――赤いチャイナドレスの妖魔――』は、来年以降の一次通過を期待できることになります。
このような「はっきりとは断言できないけれど、なんとなくそう感じる」という現象。それぞれ個々人のデータに基づいて、皆様も何かあるでしょうか?
まだ終わっていないので気が早い話ですが、私の場合、この『前兆』仮説を確かめる意味でも、来年以降のネット小説大賞がいっそう楽しみになりました!




