どしゃ降り
こんなどしゃ降りの日だから。
何処にも行かない、行きたくない。
ほんとは会わない、会いたくない。
契約切れの無邪気さなんか、捨てましょう。
チョコレート色の濁流に投げ込みましょう。
契約違反の無気力なんか、ノーサンキュー。
正体ばらす横殴りの雨が降れば、一生懸命走るでしょう。
じめじめ湿気、癒しの布団が沈没寸前。
しとしと湿気、怒鳴りたいこと忘れちゃう。
一寸先の闇を期待させる、目眩ましからのビックリ箱。
クラっとしてブルブルさせるの、ノーサンキュー。
押し退け、押し退け、契約不履行の大人が通る。
合わない、合わない、あなたと合わない。
言いたいこと考えたら、身悶えながら布団にくるまれ。
開かずの唇、口の中、僕の舌はカタツムリになっている。
僕はねちねち嫉妬狂いのカタツムリ。
都合の悪い現実に出くわしたら、ずるずる布団に潜り込む。
やっとどしゃ降り過ぎだったから。
誘って招いて、あなたが留守の部屋へ。
開かずの扉、チョコレート色の濁流を塞き止める。
遠慮がちに、僕は舌を巻いて絶句する。