神か悪魔か
あるものは私を神と呼び。
あるものは私を悪魔と呼んだ。
求められるままに力を与え、それに見あった対価をもらう。
私には何の望みもなく、故に欲するのは単に空虚な時間を埋めるられるだけの、ほんの少しの刺激だけ。
それは永い間変わることなく、そしてこれ以降変わることもないだろう。
「わたしに、力を与えて」
『良いよ。対価は何をくれるんだい』
「わたしは何も持っていない」
『それでは力を与えることはできないね』
「だから、わたしが奪った全てをあげる」
『ほう、それは面白そうだ』
こうして私は今日もまた、どこの誰とも知らないものに力を与える。
私が神か悪魔かは、好きな方を選ぶといい。