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 ブレイカー&セイヴァー、略してB&S。

 MMORPGの大手「ユグドラシルグループ」、新進気鋭のVR専門会社「the・kingdom」が2年前にVRゲームとして発売したこのソフトは、日本で爆発的ヒットを誇るも、プレイ可能サーバーが日本。それも、プレイ地が日本国内でないといけないということから、廃人プレイヤーが早々にリタイヤ。

 しかし、そのVRは他と比べ現実と遜色のない上に安全機能がリンクしており、ゲーム自身の評判は悪くなく、海外のゲーマがB&Sをやるためだけに来日するなどかなりの人気を博した。

 このB&S。実際のプレイヤーを主人公とした小説や漫画が多く作られ、かなり人気でもある。


 その人気プレイヤーは二つ名が自然と付けられ、勝手な称号が作られてゆく。

 その前にこのB&Sに着いて説明しておこう。


 舞台は日本の本州を上下左右対称に置き、その中央にゲーム内最大の土地であるアルス大陸がある。さらにそこに人間、エルフ、ドワーフ、竜人と呼ばれる4種の生命が住んでいる。北に多いのが竜人。東に人間。南にドワーフ。西にエルフ。

 彼らは非常に仲が良く、互いを認め合い共存している。

 そのアルス大陸は別名魔大陸と呼ばれ、モンスターや魔物と呼ばれる超進化、具現化した超異生命体が跋扈し、様々な気候、地形の生きにくい環境となるが珍しい素材や、魔物は大変おいしい食材と会わり、骨などは金属と混ぜることで様々なオプションを込められる特殊な金属とすることも可能でコモンスキル(CS)と呼ばれるスキルを取得できる魔石か、日常生活に必要な魔道具を動かすエネルギー石の魔導石を取ることができる。これらを買い取るのがギルドと呼ばれる所。


 なんでも換金してくれるが、ものによっては専門店の方が高く売れたりするのだ。

 この世界ではファンタジーによくある魔法はすべてスキルによって代用される。

 ただそれは、魔術系スキルと呼ばれ、属性ごとに分類分けされ、スキルを取得しなくてはどんな低レベルのスキルでも使用できないことになっている。

 スキルは体内の魔力、MPに依存する。

 基本、スキルは一つ使用を終えてから次を発動させなくてはならなく、もし同時に使用したければそう言ったスキルや特殊技能(センス)、アイテムを使うしかない。

 スキルと言っても先ほど出たCS以外にもさまざまな種類がある。


 NPCのクエストやアイテムと言った形で手に入り、N,R,SR,HR,の四段階に分けられるCS(コモンスキル)


 プレイヤーが星外石や邪神倒すと稀に手に入る、ASS(アナザースタースキル)

 アバターを育てることで解放されるOS(オリジナルスキル)

 レベルや肉体数値を上げるのに必要な経験値と引き換えにスキルを得るEXS(エクストラスキル)

 これらによりつくるアバターは意図的でなければ、同じ構成の物はできなく、あとはプレイヤー自身の技能に依存するということになる。


 リアルの技術を用いた戦術を取るものも少なからずおり、彼らの中でも友好的なものは大手ギルドを引っ張る存在に。

 そうでない者はソロプレイヤーとして様々な町を渡り歩いていたりする。


 っと、まあ、ゲームの世界観についてはこのくらいで。

 次はプレイヤーの使うアバターについて説明しよう。

 使うアバターはタイトルの通り、救世主(セイヴァ―)と破壊者(ブレイカー)

 ブレイカーと聞くと、聞こえが悪いかもしれんがあの世界ではセイヴァ―もブレイカーも等しく勇者のような存在である。


 しかし、その性質は全くを持って異なる。

 セイヴァ―はステータス重視でキャラが成長して行く。

 つまり肉体能力に秀でて、スキルも自己強化系統が多い。武器を使い、個人としての戦闘力が高いことにより対人戦に秀でている。

 一方ブレイカーはスキル制御に優れ、多重詠唱のスキルを開花させるならばブレイカーになった方がいい。

 広範囲殲滅系スキルを獲得でき、対軍戦に秀でている。

 そして何より土地によってセイヴァ―、ブレイカーであることにより対応は大きく変わる。

 人間、エルフはセイヴァ―のみが受けられるクエストが多く、ドワーフ、竜人はブレイカーのみが受けられるクエストが多い。


 また、竜人の土地では鉱物が取れ、ドワーフの土地では鍛冶をしてもらえる。

 一方、エルフの土地では薬草や特別な木材、食材が手に入り、人がそれを魔道具や細かい装飾品に加工できるので、セイヴァ―もブレイカーも協力しなくては目的のアイテムを作るために必要な素材を取るためのクエストを受けられなく、セイヴァ―とブレイカーでチームを組むのは当たり前だ。


 しかし、ごく少数のソロプレイヤーは自分で鍛冶や道具の作成、密猟によってアイテムを作成する者もいる。

 しかし、それを黙ってみているほどNPCも甘くなく、ソロの上位ほんの一部しかできない荒業的物でもある。

 ゆえに、インフィニティズもペアで行動している。


 ※※※


『アバターと意識の融合終了。フィードバック現象の終了を確認。意識を覚醒させます』


 そこは真っ白ななにもない空間。

 そこで眠っていた二人は、妙な声と共に今真白な空間の中にいた。


「ここは・・・何処だ?」


「うーん、よく寝たー」


 二人とも同じタイミングで目を覚まし、隣で声を上げた人物へを見る。


「がっくん!?」


「ユキか!?」


 二人は互いの肩と顔に触れ、これが現実であることを確かめる。


「・・・でも、ユキ。なんかS&Bのアバターよりの顔になって可愛くなっていない?」


「それを言うなら、がっくんはアバターに似た髪型だからそのきれいな目とかおが・・・って、かわいい?」


「あ、え、えっと・・・うん、元のって言っていいのかわからないけど、前のユキの顔も小動物みたいでかわいかったけど、今はなんか凛々しくて少し大人な感じがしてかわいい・・・よ」


「///ありがとう///」


 頬を真っ赤にして言うユキは大変可愛らしく、ガクトことがっくんは恥ずかしくなり顔をそらす。

 そして気づいた。

 今の自分たちの置かれている異変に。


「ユキ、ここはどこだ?」


「・・・がっくん。これ」


 ユキは周囲を見渡すも見えるのは真っ白な景色のみ。

 そして、ユキが何かを見つけたようななのでそちらを見る。

 そこには『メニュー』画面があった。

 メニューはゲームにおける、アイテムを収納するストレージ、プロフィールやスキルの更新、レベルアップ、などのアバターをいじる機能のほかにログアウトのボタンがあるはずだった。


 しかし、そのメニューにログアウトのボタンは無い。

 仕方ないのでとりあえずほかの機能を確認する。

 まずはプロフィール。


 Name:ガクト (ブレイカー:八壊神) 17歳

 ステータス:レベル1/1 EXP 0/∞ MP ∞/0

 力(最大物理攻撃力):2250

 魔力(最大魔法攻撃力):2300

 体力(物理防御力):3500

 精神(魔法耐性度):2500

 獲得魔法適性:火・水・風・土・無・闇・光・・・etc

 ASS:〈レベル同一化〉〈ワンランクアップ〉・〈暴食の使徒(ベルゼブブ〉・〈エナジードレイン〉・〈傲慢の使徒(ルシファー)〉…etc

 OS:〈領域〉・〈超直感〉・〈成長を犠牲にした強さ〉・〈変換:魔力〉・〈自然治癒〉…etc

 CS:〈付与〉・〈能力低下〉・〈ドレイン〉・〈能力向上〉・〈攻撃力上昇〉・〈防御力上昇〉…etc

 EXS:〈並列思考〉・〈超演算〉・〈契約〉・〈魔法庫〉・〈口頭展開〉・〈念話〉・〈全言語理解〉…etc


 相変わらず、ふざけたステータスだ。それと名前はアバターの方のようだな。

 これに、装備による強化を加えたらとんでもない数値になる。

 と言っても、冒険者のレベル30くらいのステータスしかないんだけどな。


「がっくん!私のステータス相変わらずだよ・・・(しょぼん)」



「やはり、ミオ・・・まあ、しかたないだろ。それより聞いてくれよ俺の各ステータスがプラス1000されているんだぜ!」


「でも1000なんだよね・・・」


 ミオは悲しそうにそう言う。


「まあ、ユキにとってたかが1000であろうと、俺からすればすごいパワーアップだ」

 ちなみにユキのステータスは次の通りだ。


 Name:ユキ (セイヴァー:剣聖) 17歳

 ステータス:レベル1537/∞ EXP  MP 99999999999900/99999999999900

 力(最大物理攻撃力):???

 魔力(最大魔法攻撃力):???

 体力(物理防御力):???

 精神(魔法耐性度):???

 魔法適性:火・水・光・聖

 ASS:〈正義の使徒(ミカエル)〉・〈愛の使徒(ガブリエル)〉・〈ランクアップ〉・〈スキル無効〉・〈限界突破〉…etc

 OS:〈聖剣〉・〈自然治癒〉・〈五感強化〉・〈成長促進〉・〈反転〉・〈聖域〉…etc

 CS:〈俊足〉・〈身体能力上昇〉・〈魔法ボックス〉


 ブッ飛んでいる。

 誰しもがそう言うにきまっている。

 レベル1537。これはゲーム内に置いて最高レベルの記録として公式に残されている。

 次が784。これを聞いてわかるように雪のアバターは少し特殊・・・というか異常である。

 その話はおいおいしていくとして、次にガクト改めゼロはストレージ内を確認する。


 ・・・どうやら中はゲームそのままのようだ。今着ている服は、メイン装備のままのようだ。


「あれ?・・・あ、がっくん。あの恐竜さんの死体が入っているし、隕石の宝石とかも入っているよ」


「え?」


 ユキの言葉を聞き、ガクトはもう一度ストレージ内を確認する。

 ガクトはその性格上、ストレージ内にファイルと言う仕切りを作り、保存している。

 そのファイルの一番下に「お土産」と銘をうったファイルが存在することに気づく。

 その中には大量の星外石からとれる鉱石とASSの込められたスキル石。それに特殊効果を持った武装を作れる星害獣の遺体(解体済み)が入っていた。


「私の用意した手土産はどうかな?」


 すると突如として頭上から声を掛けれた。




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