消え行く世界で2
自転車で何処かへと向かう2人がいた。2人がどこへ行くのか、それは本人達にもわからない。
「なぁ、そろそろ機嫌直せよ」
「着替えを覗く犯罪者とは話しません!」
「お前敬語使えたんだな」
「そこ?!て、だから!犯罪者とは話しません!」
「だから悪かったって。悪気は無かったんだよ。出発の時間になっても来ないから様子見に行っただけなんだって。それにすぐドア閉めたしそんなに見てないぞ?」
「どうせ私の身体に見る価値なんてありませんよ!」
「なんで俺の発言そういう意味に捉えるかな……見ていいんなら見るぞ?」
「み、見たいの……?」
小声だ。
「え?何?聞こえない」
「なんでもない!」
「そうか」
「……」
「……」
「あの、機嫌は直りました?」
「知らない!」
「ええー…お前、自分の機嫌くらい把握しろよ」
ーーー
「おーい、そろそろ出発するぞ。いつまで寝てるんだ」
朝、別々に寝ている彼女が出発する時間になっても出てこない。それどころか、物音1つしない。
「おーい……何やってんだ?いないのか?……まさか。いや、今更そんなことは……」
彼が考えたのは消滅したのではないか?という事だ。あわてて部屋へ向かう。
「……嘘だろ?なんでいないんだ?……探さなくちゃ……っ!」
家中を探し回り、いないことが分かると彼は外へ出て近くの家も全て捜索し始めた。そして、隣の家で……
「居た!……良かった。心配かけさせんなよ。つうかなんで隣の家のソファーで気持ち良さそうに寝てるんだよお前」
「……」
「おーい、起きろー」
「……」
「……えい」
「んぁ?!」
ソファーから落とす、彼女は目を覚ます。
「なんでこんな所で寝てるんだ」
「あ、おはよう……ええと、その……」
「言い訳くらい聞いてやる」
「お、怒ってる?」
「別に。突然消えて消滅してしまったんじゃ無いかと心臓が止まるかと思うほど不安で家中をひっくり返して隣の家まで探しに来たらソファーで幸せそうに寝てたことなんて、怒ってないぞ」
「怒ってる……あの、これには訳があるんだ。その……ええと……」
「言えないような理由があるのか?それともただソファーで寝たかっただけか?」
「……女の子の日の必要品を探してて。あの家に無かったから隣の家にあるかなーなんて思って探してたら眠くなっちゃって。それで、その……」
「……なんか、すまん。でも、出るならひと言くらい声かけてくれ。本当に不安だったんだからな」
「うん!」
「おい、なんでそんな嬉しそうなんだ?こっちは不安で不安で死にそうだったのに」
「だからだよー!まったく、嬉しいこと言ってくれるなぁ君はー!」
「……うざっ」
「ひどい!」
「なぁ、今後こうならない為にもさ、お互いの生徒手帳を交換しておかないか?」
「生徒手帳?」
「消滅したら手帳も消えるだろ?だから、手帳があるかぎりお互いに消滅してないって分かるんだ。いいだろ?」
「名案!生徒手帳は確かポケットに……あったあった!」
「私服のポケットに生徒手帳入れてるのか。俺のは向こうの家のバックの中だ。後で渡す」
「うん。……ねぇ、もし私が消滅したら、悲しい?」
「当たり前だろ。悲しいし寂しいな。だから消滅しないでくれよ?」
「うん。絶対消滅なんてしない!だから、君も消滅しないでね?」
「おう。当たり前だ」
「ありがとう」
「こちらこそ」




