第八話
もう少し!あと少しで異世界に!!
ぽかんとして固まっている圭太たちを尻目に何処からか取り出したフルーツ○レを飲み始めた辺りで、蒼真の思考が復活した
「下手に考えるといけない気がするので、理解も納得もできませんが…話は分かりました…で、ネムさんは私達に何をさせる気…いや何を求めているのでしょうか?」
蒼真のこめかみに青筋が立っているのが見えたが、圭太達も今は無視している
「ん?さっき言った通りだよ!俺の俺だけの異世界物語を楽しみたい!誰かのを持つのではなくて実際進んでいる物語を知りたいんだよ!!」
つまりアレだ…自分たちをゲームのキャラクターとして物語を楽しみたい…そう言う事だろうと蒼真は思っていた
「そうそう!その通りだよ!もちろん言ってもらう世界はファンタジー!魔法ありモンスターあり!国同士の戦いありの世界だ!
君達にも特典はあるし楽しめると思うんだがどうかね?」
ん?ん?と言うようにネムは圭太達一人ひとりの反応を見る
「断った場合はどうなるんですか?」
まずは断った場合どうなるのかの確認…しかし蒼真はこれは意味が無いと考えていた
コピーなのだから削除良いのだから…自分が気に入らないキャラクターを作ったなら同じように消すだろう
「特に問題ないけど、今の君達には消えてもらう事になるねぇ~」
その返答に桜や楓の顔が青くなる
「そうでしょうね…
すみません、少しみんなと相談したいのですが構いませんか?」
「かまわないよ~時間はたっぷりあるからね~あ、なんだったら飲み物とお菓子用意しようか?」
そう言ってネムが腕を振るうと小さな小屋が出現した
いきなり出現した小屋に圭太達は驚愕している
「その中の会話はボクには聞こえないし、思考を読む事も出来ないようにしているので、安心してほしい、飲み物も軽い食べ物も用意してるからね~
あ、だけどもしボクの要望通り異世界に行く場合、物語の一部になるから後で見せてもらうからね!そこんとこよろしく!!
じゃ、ボクはここで舞ってるからね~~~~」
と言ってネムは踊りながらどっかに立ち去っていった
「圭太さん…あれってどう見ても同じ思考ですね…」
その言葉に圭太は真っ赤な顔をするのだった
「さて、これからどうしようか?」
部屋に入った後、ぞれぞれ椅子やソファーでくつろぎながら話し始めるのを待っている様だったので、圭太が口を開く
「俺は賛成かなぁ…結構ワクワクするし、ネムってのもあまり嫌いにならないし」
「わたしも透さんといっしょだね!異世界ワクテカです!!」
透と楓は賛成の様だ
「蒼真…お前はどう思う?」
「賛成…と言うよりそれ以外に選択肢はありませんね、ただしどれだけ能力を得られるかが問題になります
異世界に行けば命の危険もありますし、命を奪う必要性もあるでしょう…後悔しないように交渉を進めなければなりません」
「私は皆さんの意見に従います、どちらでも良いですよ?」
桜は自分の考えが無いと言うより決めきれていないって感じだ
蒼真の意見はもっともだな
「オレも異世界に行くのはOKだと考えてる…ただ蒼真と同じで交渉次第だけどな…」
その後2時間ほどかけてどうするか、どう交渉するかを話し合って小屋を出てきた
すると、いまだに舞っているネムがそこにいたのだった
次回投稿は28日になります!よろしくお願いします!