第五話
もう少しでファンタジー突入のはずです…もうしばらくお待ちください^^;
今回は少し長めです
戦闘は続いている
キッド(透)のトールは前線で大剣を振り回し、次々と海獣を切り裂いていく
そのトールが複数の海獣に囲まれそうな時は、メイプル(楓)のグングニルが狙撃を行い次々と撃破
狙撃手であるグングニルに魔の手が迫れば、守護神のように立ちはだかるチェリー(桜)のアマテラスが弾幕の嵐を叩きこむ
近中遠と理想的な戦闘をこなしていた
「艦長、制限時間残り600秒…イベントエネミーが現れます」
「了解、それにしてもあの三人結構稼いでるなぁ~ってか、参謀さんチェリーのシステムかなり弄くっただろ?」
蒼真は視線を外しながら「そうでもないですよ~」とあからさまに動揺している
「ま、構わんがね…システムから何からいじくり倒すのがこのゲームの醍醐味だし」
そう言いながら圭太はニヤニヤしていた
制限時間10分を切るとビービービーと大型海獣出現のアラームが鳴り始める
「大型イベント海獣、出現地点予測……トール戦闘地点の直下です!!」
蒼真が少し焦りながら声を上げる
「トール、大型がそこに出現するぞ!!後方に離脱!迎撃体制!!」
艦長である圭太の指示に「了解!」と素早く返答が入る、その返答と同時に出現範囲を示す場所から一気にトールが後退していた
固定化された海面が地響き?と共に大きく膨れ上がり弾け飛ぶと、メタリックブルーの巨大なシーサーペントが姿を表わす
特に特徴的なのは頭部であろう
胴体の三分の一から上は二股に分かれており頭が二つあるのだ
「双頭のシーサーペント……希少種か!」
圭太から焦りの声が漏れる
イベントでもあまり姿を表わさない希少種は珍しさもさるものながら、HPが通常ボスの二倍と言うのが経験則であった
「10分で倒すにゃ攻撃力が低いな…クランにもよるがもう二か所は必要だぞ…」
このマリーンズファンタジーの特徴として一回の大型戦闘が15分と短い事が上げられる
基本的にイベント戦闘をおこなう場合クランが同士が同盟を組んで事に当たるのが普通なのだが、圭太達のクラン:ヤマトは戦闘能力が高いので自分たちのクランだけで戦うのがいつもの事だった
「今から同盟組むのも無理ですからね…やるしかありません」
蒼真の一言で腹を括ったのか、圭太は一気に指示を出し始める
「トールとチェリーは周囲の雑魚を減らしてくれ、メイプルはこれから斉射をかけるので追い撃ちを継続、一気に叩き込むぞ!!」
「「「了解!!」」」
「参謀!搭載している艦載機を全機出してコントロール、右の頭だけ集中的に攻撃、出来るだけ範囲攻撃を出させないようにしてくれ!」
「了解です、30秒で全機発進させます」
「こっちは二股の根元に一気に徹甲弾を叩きこむ!
30秒後だ!!」
圭太はマウスとキーボードを勢いよく叩き、搭載されている主砲、副砲を大型海獣に回頭させ照準を定める
「こちらメイプル!所定位置に配置完了、追撃捕捉開始…」
「こちらトール、アマテラスと共に所定の位置についた!」
「全機発艦完了!接敵まで12秒です!!」
「よし!攻撃開始!!」
圭太の指示と共に大型巡洋艦ポセイディアの艦砲が一斉に火を吹き無数の砲弾が飛び去っていく
着弾と共に爆炎がそこらじゅうに発生していく
ギュオオオォォォォ!!!!!
その衝撃に大型海獣の口から苦痛の叫びが漏れる
「私も続くよぉ!!」
艦砲が着弾した場所にトレースしていた楓のグングニルも即座に追撃の砲撃をおこなう
連続して放たれる銃撃の為、徐々に砲身にダメージが加わっていく…が、楓は当然の事と納得しトリガーを引く事をためらわなかった
「始まりましたね……5機編成5部隊の艦載戦闘機…ダメージを求める事は厳しいですが25機の一斉攻撃です!ブレスは撃たせませんよ!!」
そう言って無人の戦闘機編隊に攻撃指示を行う蒼真の声も、若干興奮の雰囲気を湛えていた
圭太、楓、蒼真が大型海獣に攻撃を向けている時、残された二人も苦労している
「でぇぇい!!」
トールは大剣を横薙ぎにして数体の海獣を倒していく
重厚だったその装甲は、多数の傷を負いひしゃげ、引き裂かれている部分もあった
一方、桜のアマテラスも弾丸が底を着いてしまい近接用のブレードを使い近接戦闘をおこなっている
「キャッ!?」
ガタガタと大きな振動と共に左側のディスプレイを確認するとサメの様な海獣がアマテラスの左腕に喰らいついている
「ッツ!!」
コンソールを弾いて左腕をパージするアマテラス
その一瞬のついて今度は右側と後方から海獣が襲い掛かる
「キャァァァァ!!」
アマテラスの首元にまたサメ型の海獣がその鋭い牙を食い込ます
バチバチと火花を上げながらダメージが蓄積されるのをディスプレイが表示していた
「桜!?」
「桜ちゃん!?」
透と楓もあまりの事に桜の名前を叫んでしまう
一方、圭太操るポセイディアにも数多の海獣が迫っていた
「雑魚でもこの数はキツイな…」
第一第二主砲は生きているが、副砲は全て破壊されてしまっている
透達の戦況も確認しながら圭太は歯ぎしりしていた
「桜も限界だな…蒼真の戦闘機も残るは3機、弾薬も使い切っているか
戦闘終了まであと3分…か」
いま全機回収してバトルエリアから離脱すれば、クエストは失敗になるが倒した半分の経験値と資材は手に入る
しかし、旗艦を破壊されるとゲームオーバーになりすべてを失うのだ
「みんな!!ここが限界だ!バトルエリアから離脱するぞ!!
回収は10秒かかる!まずは桜のアマテラスから回収するので二人は持ちこたえてくれ!
蒼真は戦闘機を破棄、そのままこっちに戻ってくれ!」
「そんな!?もう少しでイベントボスの倒せるんですよ!?
私に構わず倒しきってください!!」
桜の悲痛な声が聞こえるが圭太は冷静な口調で諭していく
「確かにイベントボスの報酬は魅力的だがね…
桜も知ってるだろ?
このゲームは死に戻りが無い…」
次回は22日投稿予定です!よろしくお願いします