第一話
しばらく現代編です…
ファンタジーに入るのは少し後になるので、よろしくお願いします。
誤名修正2016/10/4 14:36
OEMMO(オーバーラップ・エントリー・マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン)と呼ばれる、新たなゲームのスタイルが現れたのは最近の事だ
マリーンズファンタジー(MF)と呼ばれるこのゲームは、スマホなどの移動端末で楽しむゲームで、キャラクターを作成、操作しMMORPGを楽しむ事が出来る、ここまでは通常のファンタジーMMOゲームと変わりない
OEMMOと言われる所以は、別売りのマテリアルシップス(MS)を購入すると、自分の艦船を所持、改造・強化などができる
そして、もう一つがマテリアルバルザー(MB)と呼ばれるソフトがあり、こちらはPCを使ってバルザーと呼ばれる人型機動兵器を操って楽しむゲームだ
設計や強化、改造などはPCで行うが、実際その機体を動かすのはバルザードーム(BD)と呼ばれるドーム型ゲーム筐体に入ってからである
つまり、人型キャラクターで世界を楽しむのがMF、MFの世界で艦船を操り、大海原での旅や、戦いを楽しむに必要なのがMS、人型機動兵器バルザーを操り楽しむのがMBであり、これが携帯端末⇔PC⇔ゲーム筐体で連携して楽しむゲームがOEMMOなのである
「ってな訳だ、わかったかね?透君」
そう言いながら、俺(海原 圭太)は従弟であり親友の中村 透にMFの説明をおこなっていた
「いや、知ってるし!!
何を初心者に説明するような事を言ってるんだよ圭太さん!?」
「そうだよ圭にぃ!私も桜ちゃんも結構レベル高いんだからね!!」
透の横からひょこりと顔を出しながら文句を言っているのは、母方の従姉妹である立花 楓、その横でウンウンと頷いているのは妹の桜ちゃんだ
「ま、細かい事は気にしない気にしない…で、楓と桜はバルザー組み終わったんだろ?
今日はバルザードームに行くのか?」
「そだよ~、桜ちゃんと透にぃとの三人で行ってくるんだ!」
楓は桜の腕にのしかかるように、自分の腕を組み合わせる
本当に仲の良い姉妹だこって…
「そういや、透は今回からナイト級バルザーになったんだよな?」
圭太の問い掛けに、透はニヤリと笑い自分のタブレット見せてきた
「コイツが俺の新たな相棒、その名も『トール』だ!」
と、自慢げに言ううだけあって一般的なポーン級バルザーと異なり、その装甲は重厚で背嚢には巨大な両手持ちの剣が付随している
楓達のポーン級バルザーとは全長も3~5メートルほど差があるだろうか…特に兜の様な頭から生えている、一角獣の様な角が特徴的な機体であった
「厳ついねぇ」
まさにナイトと言うだけある…と、圭太は独り言のようにつぶやいていた
「楓ちゃんや桜ちゃんの見してくれるかい?」
「はいは~い!!じゃ私のから見せてあげるね!!
これが私の愛機『グングニル』だよ!!」
楓のスマホを見せてもらうと、そこにはポーン級バルザー『グングニル』と表示された機体が映し出されている
全長は6.85メートル、重量1.8トンの一般的なポーン級バルザーだ
『グングニル』の特徴は、右腕自体が巨大な砲身になっている事だろう…
「これって、前に透が引いた有料ガチャのアタッチメントアイテムだよな?」
「そうそう!透にぃは近接戦闘がメインで長距離砲はいらないって言うから私が貰ったんだぁ~」
楓は自分の機体を自慢したのか、圭太の背中にかぶさりながら自分のスマホをいじっていく
「楓ちゃん、重いって!!」
圭太は背中に微かに感じる圧を気にしながらも、楓に退くように催促するが、楓はあえて押し付けるように無視していた
「ったく…
でもこの長距離砲って四足タイプのバルザー…それもバックパックに取り付けるタイプのやつだよな?
良く右腕何かに取り付ける事ができたな…」
圭太が言うように、この長距離砲(BS-LRR004)は背面装備型の長距離砲だ
どうやらシステム改造して取り付けたようだが、楓の腕で改造できる範囲ではとてもでないが無理だろう
「ってことは、これいじっくたのは蒼真のやつか?」
「あ、やっぱわかっちゃった?」
「このクラスの改造を出来るヤツなんて、俺らの中じゃ蒼真ぐらいだからなぁ」
「圭太さん、私のバルザーも見てもらえますか?」
楓との会話の途中に割り込んできたのは楓の妹、桜である
桜のバルザーも楓と同じくポーン級バルザーで、一般的な機体そのまま
武装もサブマシンガンとブレードがメインウェポン、左手にはスモールシールドを装備で本当にポピュラーなタイプだ
「うん、ゴテゴテしてなくて綺麗な機体だね、近接、中距離支援用かな?」
「はい、色々装備しても私には扱えないので」
バルザードームでの操作は兵装オプションやオプションアビリティを付ければつけるほど複雑になる
ゴテゴテしていないと言う事はそれだけ操作が簡素になっていくと言う事だ
逆にナイト級の様な機体の場合、機構剣技と呼ばれるアタックモーションがある為、操作がかなり複雑になる
何事も経験がものを言うゲームなのである
そうこう4人で話ていると、透のスマホに着信を知らせるアラームが鳴りはじめた
「お、そろそろ予約時間になるな…
今から行けば、15分ぐらい前には着けるか
じゃ、圭太さん俺たちはそろそろドームに向かうわ、蒼真から連絡ってまだだよな?」
バルザードームは人気が高いので、予約しておくのが常識になっている
「そろそろ、連絡あるはずなんだが…」
と、言ってた矢先PCのマテリアルシップス(MS)の通信回線に蒼真が入室したとのコール音が入ってきた
「お、噂をすればだな…」
圭太は通信のタブを押して蒼真に連絡を入れると、待機していたのか蒼真はすぐに出てくれた
《蒼真》
圭太さん、遅くなって済みません、透君たちはもう向かいましたか?
《圭太》
いや、ちょうどこれから向かう所だよ
《蒼真》
了解です、今回はイベントでしたよね?僕のソロモンも出しましょうか?
《圭太》
いや、今回は俺のポセイディアに乗艦して副官になってもらっていいかい?
新しく戦闘機を何機か搭載したんでそっちを受け持ってほしいんだけど…
《蒼真》
了解です、じゃそっちにログインしますね
透君にも援護は任せろって伝えておいて下さい
《圭太》
了解、よろしくね~
そう打ち込んで、通信のタブをOFFにする
「ってな訳だ、楓たちもこっちに乗っけるようにしてくれるかい?」
透は圭太の要望に対し「了解です提督!」と敬礼した後、部屋を出ていった
「さてさて、今回は海竜の巣窟でのイベントか…」
次の投稿は7日の12時になります!ゆっくり更新ですがよろしくお願いします!!