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異世界風雲記  作者: 狂の字
1/19

第0話

鮮やかな藍色の海原を、一隻の巨大な船が白波をたてて進んで征く


その巨大な船は帆船では無く、重厚な鉄の塊である…


原型ベースはアラスカ級大型巡洋艦を元にしており、全長250メートル

全幅は改造してある為50メートルまで拡張されていた

左舷は滑走デッキとして改修されており220メートルの滑走路が異様な姿を表わしている


中央よりやや後方に司令塔である艦橋がそびえたっている、そしてその艦橋の中心はドーム状に展開されている光学ディスプレイが、ひっきりなしに様々なパラメーターを表示していた


「ん、順調順調…レーダーにも感無し…このまま行けば明日には目的地に到着だな」


様々にディスプレイが浮かんでいるその中心のシートには、深い紺色の軍服を着た男性が、せわしそうに手を動かしながら独り言をつぶやいていた


ピピピとその男性の左側のディスプレイから呼出し音が注意を向けてほしいと音をならしている、その音を止める為軽くスライドさせると画面が大きくなり、一人の女性が映し出される


「やっほう~艦長!!

まだ目的地には到着しないの?」


少女と言っても良いようなその問い掛けに、艦長と呼ばれたその男性は「ま~だだよ」と言いながらあきれた様子である

何故なら、この質問を同じこの少女からされたのは、ほんの10分ほど前だったからなのだ


「ねぇねぇ、暇だから飛んできても良い?」


その問い掛けに男性は右側のディスプレイを素早く操る、熱源センサー、大型胴体センサーに半径3キロ以内の以上は出ていない


もうすぐ目的地だし、状況を確認する為にも偵察がてら飛んでもらおうかと思ってしまう


「もうすぐ陸地も見えてくるし、問題ないから構わないよ…

楓ちゃんのお気に入りはハリヤーだっけ?」


そう問いかけると、楓と呼ばれる少女はうんうんとにこやかに頷き、横にあるヘルメットを見せてきた


「OK…

じゃ、索敵もかねて飛んできていいよ」


「ホント!?

じゃ、デッキに行ってきま~す!!

ありがとね!圭太艦長!」


そう言って画面がクローズする

艦長と呼ばれた圭太は若干呆れながらも、画面をサクサクと操作すると、左舷の滑走デッキにハリヤーがその姿を現した


音声回線のみで、元気な声が聞こえてくる


「カエデ・タチバナ!ハリヤー行ってきま~す!!」


そう聞こえると、ハリヤーのエンジンノズルがゆっくりと稼動し、唸りを上げながら出力を上げているのが見えた


ゆっくりとある一定の上昇をすると、またノズルが稼働し自らを前に進める為に後方へとその火柱をふかしていく、そのまま轟音をたてて彼方の空へと飛び去っていった


17歳の女の子が戦闘機に乗って飛び立ち…25歳の俺が一人で大型艦船を操作する…


「慣れたとはいえ、ありえねぇよなぁ…」


胸ポケットからゆっくりを煙草を取り出し、ゆっくりと火をつける

煙を胸に溜め込み、ゆっくりと圭太は吐き出していく


吐き出しながら、ここに来るまでの事を圭太は思い返すのだった…


次回は10月4日に投稿予定です、のんびり投稿ですが出来るだけバックアップを残して毎週火曜日と金曜日に投稿したいので間隔をあけています、よろしくお願いします!

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